「くぼみ」をあらわす言葉は、いくつかあります。
この記事では、「穴」と「孔」の違いを分かりやすく説明していきます。
違いを知って、生活に役立てていきましょう。
「穴」とは?
穴(あな)とは、色々な素材にあいた「へこみ」のこと。
地面に掘った物もあれば、紙や洋服にあいた物もあります。
ふくらみのない、くぼみの箇所です。
「穴」は洞窟に掘られた空洞から、生まれた漢字です。
大昔の人たちは穴を掘って住まいを作り、ここで食事や睡眠をとっていました。
また食料や獲物などの宝物もここに隠していたことから「穴」には「他の人に知られていない場所」「勝負どころ」という意味もあります。
自分だけが知っている隠れ家を「穴場」といい、競馬の大勝負を「大穴」というのも、こうした所からきています。
ちなみに「穴」にまつわる、ことわざは色々あります。
「穴があったら入りたい」は、恥ずかしい思いをして、顔から火が出そうなこと。
「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」は、危険なリスクを負わないと、成功は手に入らないという例えです。
日常生活の周りにあふれているのが、色々なタイプの穴です。
「孔」とは?
孔(あな)とは、突き抜けた空洞のこと。
トンネルのように、入り口と出口があって、向こうがよく見えるものです。
孔は「こう」という読み方もします。
「孔」は体の「通り道」を意味する言葉です。
そのため鼻のあなを「鼻孔(びこう)」。
瞳のくぼみを「眼孔(がんこう)」といいます。
入ってくる通り道と、出ていく通り道が確保されているものが「孔」。
そのため換気扇の通風口のことを「換気孔(かんきこう)」といいます。
そして配線につかう部品を「配線孔」といいます。
ドット柄のボードは「有孔ボード」です。
閉ざされた空間ではないくぼみ、風通しのいい爽やかなあなが「孔」です。
「穴」と「孔」の違い
どちらも「あな」と読めるので、間違えやすいです。
「穴」と「孔」の違いを、分かりやすく解説します。
・くぼみは「穴」トンネルは「孔」
「穴」と「孔」の違いは、入口と出口があるかないかの違いです。
「穴」は雪でつくった「かまくら」のように、ひとつのくぼみだけで作られたもの。
入口と出口が、共通しているものです。
そして「孔」は通気孔や配線孔のように、トンネル型になっているもの。
ホースのように、入り口と出口がそれぞれ分かれているものです。
スコップを用いて、地面に「あな」を掘ったら、それは「穴」。
大型の重機を用いて、トンネル風の「あな」を掘ったら、それは「孔」になります。
日常生活では「孔」よりも「穴」をつかうケースが圧倒的に多いです。
まとめ
「穴」と「孔」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも、くぼみを表したものです。
穴はかまくらや洞窟のように、入口と出口が同じ空洞のこと。
一方でトンネルや通気孔のように、入口と出口がそれぞれ別々に分かれているものを「孔」といいます。
それぞれの意味を正しくおさえて、知識を増やしていきましょう。