この記事では、「任命」と「委嘱」の違いを分かりやすく説明していきます。
「任命」とは?
任命とは、にんめいという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば明らかな事ですが、役目に当てるや引き受けた役目といった意味の任の漢字に、言い付けやいのち等の意味がある命の漢字を付け足す事で完成した言葉となっています。
だからこそ任命は、官職とか役目に就く様に命令する事を意味するのです。
「任命」の使い方
任命は、ある職務や官職に就く様に命じる、といった意味を表す時に使われる言葉となっています。
命ずるという意味合いを含んだ言葉である事でも理解出来る様に、基本的に行う側が使用する言葉であり、委員に任命する、といった形で使用される事が多いです。
ただし逆に職務等に就く様に命じられた側の場合は、任命された、という形でこの言葉を使って表現したりします。
「委嘱」とは?
委嘱とは、いしょくという読み方をする言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば即座に分かる事ですが、自分では行わずに他人に任せるといった意味を持つ委の文字に、ものを頼むという意味を有する嘱の文字を合体させる事で成立した言葉となっています。
そのため委嘱は、限られた期間、特定の仕事を他者に任せるといった意味を示すのです。
「委嘱」の使い方
委嘱は、特定期間のみ外部の人間に仕事とか役割を任せるといった意味で用いられる言葉となっています。
嘱という言葉の意味からも明確な様に、命令するのではなくお願いしたり、依頼するという意味合いの言葉です。
具体的には、特定の技術を所有した外部の人間に仕事を依頼する場合に、この言葉が用いられる事が少なくありません。
例えば、社外に作画を委嘱する、といった使い方を見掛ける事が出来ます。
「任命」と「委嘱」の違い
任命と委嘱は、文字表記を見比べても使用している漢字も、読み方も全然違う言葉同士です。
ですがどちらも仕事や役職に関連して使用される言葉だったりするので、混同してしまう恐れのある組み合わせの言葉と言えます。
ただし任命は、役目や官職に就く様に命じる、といったやや強いニュアンスの言葉として使用されるのです。
一方の委嘱は、期間限定で特定の仕事を他の人に任せたり、依頼するという意味を示します。
「任命」の例文
・『各委員長を速やかに任命する必要があります』
・『彼は希望通り、プロジェクトリーダーに任命されました』
「委嘱」の例文
・『社員研修を行うために、彼女に講師を委嘱しました』
まとめ
2つの言葉は、共通する文字もなく読み方も特に似ていない言葉同士です。
所がどちらも役目や仕事といった事に関連して用いられる言葉であるため、使い分けの際に迷ってしまう恐れはあります。
ちなみに任命は、ある役目や官職に就く様に命令する、といった意味を持つ言葉です。
対する委嘱は、一定期間、特定の仕事を他人に任せたり、依頼するといった意味を示す時に使用される言葉となっています。