この記事では、心的外傷を指す「トラウマ」と心理現象として発生する「フラッシュバック」の違いを分かりやすく説明していきます。
「トラウマ」とは?
心的外傷という意味で、精神に大きな傷を負うような状況だけでなく、肉体的に大きな傷を負う状況、または他人がそういった状況にあうのを目の当たりにする、災害に遭遇する、恐怖心をひどく刺激するなど、その人の生命や存在に強い衝撃をもたらす体験をトラウマ体験といいます。
トラウマとなった記憶の一部を思い出すことで非常に恐ろしい気持ちになったり、苦痛が蘇る悪夢を見る現象などがトラウマを負った人に現れる現象です。
ひどいトラウマというように強調して使うことも可能で、トラウマから立ち直ると言った状況もありえます。
現在では比較的軽い意味合いで使われるケースも有り、非常に強く記憶に残っている昔のネガティブさを持つ出来事(料理がまずい 描写がグロテスクな作品を見た、自分が原因で人に迷惑をかけた)をトラウマと呼ぶケースも言葉としてはあります。
「フラッシュバック」とは?
強い衝撃を受けた場合に、その記憶が突然かつ非常に鮮明に思い出され、結果として追体験するような感覚を覚えたり、同様な夢に見たりする現象で、似たようなシチュエーションに遭遇するようなきっかけがある場合もあれば無い場合もあります。
この衝撃はトラウマや恐怖であるケースや味、音、痛覚、言葉なども含まれますがネガティブなものの方が多いようです。
虐待者やいじめをしている者などから言われた言葉がフラッシュバックする現象は言語性フラッシュバックと言い、認知・試行的フラッシュバックは過去に自分に対して押しつけられた考えや悪い環境の再生で、「自分は何をやっても駄目だ」などの考えが繰り返し浮かんでしまいます。
「トラウマ」と「フラッシュバック」の違い
「トラウマ」と「フラッシュバック」の違いを、分かりやすく解説します。
心的外傷であるトラウマ体験が元となってその体験の記憶が突然かつ非常に鮮明に思い出され、結果として追体験するようなフラッシュバックが発生してしまうことがあります。
ただしフラッシュバックは過去に受けた強い刺激を頭の中で追体験してしまうことであって、トラウマが原因ではないというケースもありえます。
トラウマは個人差、深刻度によってはフラッシュバックが発生しないこともあり得るでしょう。
トラウマも悪い内容のフラッシュバックも短期間で終わるわけではないものの治療を行うことができます。
また、フラッシュバックは瞬間的に思い出されるという意味合いで使われるケース、トラウマは過去にあった強烈な記憶という意味合いで使われるケースがあります。
まとめ
「トラウマ」と「フラッシュバック」はある程度密接につながっており、トラウマがなければトラウマのフラッシュバックは発生しないと言えます。
ともに心療内科での診察・治療が可能なジャンルとなっています。