日常的に用いる「杓子」と「柄杓」。
でも、明確な違いがわからないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「杓子」と「柄杓」の違いを分かりやすく説明していきます。
「杓子」とは?
「杓子」は「しゃくし」と読みます。
これは、調理の際に欠かせない調理道具のひとつで、ご飯を盛る際や汁物をすくう際に用いる道具を意味します。
それぞれ、形や材質などによって名前が付けられていて、木でできた「杓子」は、木じゃくし。
頭が丸くくぼみができている「杓子」は、玉じゃくし、といった形で呼ばれています。
それぞれ、すくいやすいように形が異なっているものとなります。
昔は木でできたものが多かったものの、今では安価で取り扱いやすいプラスチック製や金属製が多くなっています。
「杓子」の使い方
調理器具の「杓子」ですが、この「杓子」を用いた慣用句がたくさんあります。
できるはずがないことを意味する「杓子で腹を切る」。
大きいものが必ずしも小さいものの代わりになることはないといった意味の「杓子は耳?きにならず」。
誰もがみんなといった意味の「猫も杓子も」などがあります。
「柄杓」とは?
「柄杓」は「ひしゃく」と読みます。
水や湯を汲む道具を指す言葉です。
形は筒またはお椀型で、竹や木、金属などで作られています。
神社の手水舎やお墓参りなどで目にすることが多いものが「柄杓」です。
また、庭の水まきなどでも「柄杓」は大活躍しています。
そのほか、茶道でも欠かすことができない道具となり、様々な場所で目にしている道具となります。
「柄杓」の使い方
「柄杓」には、「杓子」のような慣用句などはありません。
「杓子」と「柄杓」の違い
「杓子」も「柄杓」も水を汲むなどといった際に欠かすことができない道具のひとつです。
そのうえで、形や機能に応じて呼び方が異なり、「杓子」は今で言えば、お玉やしゃもじを指し、「柄杓」は、手水舎や茶道などで用いる水を汲む道具を指す言葉となります。
素材は木や金属など違いはなく、主に使用用途や形で「杓子」と「柄杓」を使い分けることとなります。
「杓子」の例文
・『猫も杓子も同じことばかり言って』
・『お味噌汁をすくいたいので、そこの玉杓子を取って頂けませんか』
・『料理が一切できない夫にスープを入れるため杓子を取ってほしいと言ったら、フライ返しを渡されました』
・『杓子で腹を切るようなことばかり言っても意味がありません』
「柄杓」の例文
・『茶道では柄杓の取扱い方も、重要な作法となります』
・『父と神社に行った際、手水舎にある柄杓の扱い方を教えてもらいました』
・『お墓参りをする際、我が家ではお線香やお花に加え、バケツと柄杓を必ず持ってきます』
・『茶道を始めるにあたり、茶碗や柄杓などすべて買いそろえました』
まとめ
以上が、「杓子」と「柄杓」の違いです。
どちらも、漢字の読み方が難しい言葉となりますが、平仮名にすることで、その言葉が指す意味がわかるものとなります。