この記事では、「磁石」と「電磁石」の違いを分かりやすく説明していきます。
「磁石」とは?
「磁石」とは2つの極を持ち、磁場・磁界と呼ばれる力を発生させる物です。
「磁石」はN極とS極を持ち、N極とS極はお互いに引き合う性質を持ちます。
このN極とS極を内包している性質を磁性と呼び、「磁石」がくっつく金属とくっつかない金属があるのは、磁性を持っているなら内部の極が「磁石」と引き合い、磁性を持っていないなら「磁石」同士で引き合う力が働かないからです。
N極とS極は常にセットになっていて、「磁石」を両極の間で切断しても、片方だけの極を持つようにはならず、N極とS極を持つ「磁石」が2つになります。
ただし極は常にNとSでワンセットになっていますが、一つの物質にN極とS極は1組ずつとは限りません。
同時に複数かつそれぞれ同数のN極とS極を持つ物質も存在しています。
「電磁石」とは?
「電磁石」とは電気を流している間だけ「磁石」の性質をもつ物体、またはその物体とそれに電気を通して「磁石」化する装置です。
電気と「磁石」の力である磁気は密接で切り離せない関係にあり、「磁石」になる素質とも言える磁性を強く持つ物体に電気を流すと、その物体の内部に含まれるN極とS極が、電気の流れに従って整列します。
その結果整列した極が磁場を発生させるようになり、他の磁性を持つ物を引きつけるようになるというのが、「電磁石」の仕組みです。
「電磁石」は磁性を持っている物体に紐状の通電性物質を巻きつけ、それに電気を流すことで磁力を発揮させます。
流す電気の強さ、巻きつけた回数によって磁力の強さも変わり、また電流の方向を変えることで「電磁石」のN極とS極がどちらになるかを切り替えることも可能です。
「磁石」と「電磁石」の違い
「磁石」と「電磁石」の違いを、分かりやすく解説します。
「磁石」はN極とS極を持ち、磁場を発生させる物体のことで、電気を通している間だけ「磁石」としての力を発揮する物が「電磁石」です。
磁場や電気の影響がなくても「磁石」として磁力を発生させる物体は、「永久磁石」と呼びます。
「電磁石」は「永久磁石」と違い、電気を流している間だけしか磁力を発生させませんが、逆に磁力のオンオフを切り替えることができる、電流次第でN極とS極の方向も切り替えられると場合によっては高い利便性を発揮するのが特徴です。
また磁力についても、流す電気の量次第では同じ大きさの「永久磁石」より強くなります。
大まかに「磁石」という場合は「永久磁石」を指している事も多いですが、「電磁石」も「磁石」に含まれる物体です。
まとめ
「磁石」と言うと常に「磁石」として働くものだけと思っている人も多いですが、「電磁石」も間違いなく「磁石」という言葉に含まれます。
電気を流している間だけ磁力を持つ物と、常に磁力を持つ物を区別したいなら、「磁石」と「電磁石」ではなく「永久磁石」と「電磁石」として区別しましょう。