「現れる」と「表れる」は、どのように使い分ければ良いのか。
この記事では、「現れる」と「表れる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「現れる」とは?
「現れる」の「現」には、この世に存在しているもの、現実に生きている状態、といった意味があります。
「現実」や「現在」、「現状」といった言葉に用いられる言葉で、その「現」を用いた「現れる」には、今までなかったものが姿を見せる、今まで隠れていたものが見えるようになる、といった意味があります。
「現れる」の場合、目に見えて形として把握することができるものに対し用いられ、人間をはじめ、動物や植物などといった生き物に対し主に「現れる」が用いられます。
言い換えれば、「出現」や「発生」、「立ちあらわれる」、「姿を見せる」などと同じです。
「現れる」の使い方
「現れる」は、目に見えて確認することができるものに対し用いられます。
そのため、「人が現れる」や「熊が現れる」、「犯人が現れる」などといった形で「現れる」を用います。
「表れる」とは?
「表れる」の「表」には、2つの面のうち主だったほう、うわべ、おおやけ、人前にそれをはっきりと示すこと、といった意味があります。
「表面」や「表情」、「表示」といった言葉に用いられる言葉で、その「表」を用いた「表れる」には、隠れていたものが表面に出てくる、といった意味があります。
その人の考えや感情などにおいて、今まで内面に隠れていたものが表に出て見てわかるようになることを意味します。
言い換えれば、「滲み出る」や「出てくる」、「反映される」などと同じです。
「表れる」の使い方
「表れる」は隠れていたものが表面に出てくるものに対し用いられます。
そのため、「性格が表れる」や「気持ちの変化が表れる」、「自信の表れ」などといった形で「表れる」を用います。
「現れる」と「表れる」の違い
「現れる」と「表れる」の違いは、目に見えるものか。
見えないものか。
といったものとなります。
「現れる」の場合、実際に目で見て確認できるものに対し用いられる一方、「表れる」は、非常に抽象的な存在に対し用いられる言葉となります。
この違いが「現れる」と「表れる」の大きな違いです。
「現れる」は、人間や動物など実際に目で見て確かめることができるものに対し用いられ、「表れる」は感情や考え方など目に見て確かめることは難しいことに対し用いられる言葉となります。
「現れる」の例文
・『この山は、熊が現れる可能性が高いため注意してください』
・『突然、目の前に自転車に乗った学生が現れ、慌てて急ブレーキをかけました』
・『やっと、雲の隙間から星が現れました』
・『ここにいれば必ず大好きな俳優が現れるという噂を聞き付け、待っているところです』
「表れる」の例文
・『彼女の表情から自信が表れて見えます』
・『人間は、ピンチになった時ほど本性が表れる』
・『彼のイライラが、言葉になって表れています』
・『彼女の作品は、個性の表れです』
まとめ
以上のことから、「現れる」と「表れる」の使い分けに迷った際は、実際に目で見て確かめることができるのか。
そうでないのか。
といった点に注意し使い分けるものとなります。