進めることを意味する「助長」と「促進」には違いがあるのか。
この記事では、「助長」と「促進」の違いを分かりやすく説明していきます。
「助長」とは?
「助長」には、「助ける」といった漢字が用いられています。
力添えをし、物事の成長や発展を助けるといった意味があります。
このように聞くと、良いことの対しての成長や発展のように思えますが、実際に「助長」には、良い方向に向かうだけではなく、ネガティブな方向に向かうこともあり、そのような意味も踏まえた言葉となります。
「助長」の本来の意味は、良い力添えではなく、余計な力添えです。
余計な力添えという意味から、それによって悪くなるといった場合が含まれていることがわかります。
「助長」の類語には、「推進」や「プロモーション」、「育成」、「増進」などがあり、対義語は、妨げるといった意味を持つ「阻害」です。
「助長」の使い方
「助長」は主に「助長する」、「助長させる」と用います。
そのほか、「助長を図る」、「助長する恐れ」、「助長する表現」などといったように、良い意味でも悪い意味でも用いられる点が特徴です。
「促進」とは?
促し進めると書く「促進」。
意味は、物事がいち早くはかどることを促すとなります。
物事がスピーディーに進むように促す行為を意味し、それらの行為に対し、手助けする行為を意味します。
「促進」の類語には、「促す」や「推進」、「増進」、「奨励」などがあり、対義語は、抑えとどめることを意味する「抑制」です。
「促進」の使い方
「促進」は主に「促進する」、「促進させる」と用います。
そのほか、「販売促進」や「促進運動」などといった言葉もあります。
「助長」と「促進」の違い
「助長」と「促進」の大きな違いは、ネガティブな意味があるか、ないか、です。
「助長」には、ネガティブな意味が含まれますが、「促進」には含まれません。
この点が両者の大きな違いとなります。
「助長」には、良かれと思ってやったことが、結果的に悪い結果となってしまたという意味も含まれています。
「助長」の例文
・『首相が行った政策は、日本経済の成長を助長するものでした』
・『幼児教育を受けることで、子供たちは心身ともに成長を助長させることができます』
・『彼の発言は、社内の混乱を助長するものです』
・『報道のやり方によっては、トラブルを助長しかねません』
「促進」の例文
・『販売促進に向け、様々なキャンペーンを実施する』
・『世界平和の促進のために、私にできることはないだろうか』
・『節電を促進することは、家計にも地球にも優しい行為です』
・『学校では読書週間を設け、子供たちの読書意識を促進させています』
まとめ
力添えを行う、助ける、といった意味では同じ意味を持つ言葉ですが、このように、ネガティブな意味が含まれているか、そうでないか、によって、「助長」と「促進」には大きな違いがあります。