日本語の中には、言葉の意味が似通っている類義語というものがあります。
しかし、厳密に意味を深掘りして調べていくと、微妙にニュアンスの違いがあることが見えてきます。
その中で、「しばらく」と「当面」という言葉もその1つになるでしょう。
そこで今回はこれらの言葉について考えてみることにしました。
「しばらく」と「当面」各々の解釈
ここで「しばらく」と「当面」のそれぞれの意味を見ていくことにしましょう。
「しばらく」の意味や使い方
「しばらく」とは、「長いとまでは言えないが、幾らかの時間」や「少しの間」、あるいは「やや長い時間を隔てているさま」などの意味を持つ言葉です。
「いやぁ、しばらくだなぁ」や「しばらくお待ちください」という表現で使われています。
「当面」の意味や使い方
「当面」は「とうめん」という読み方をする言葉で、「現在直面していること」や「さしあたり」という解釈ができる言葉です。
「当面の目標」、「当面の問題」というような使い方をしています。
「しばらく」と「当面」の違い
では、「しばらく」と「当面」には、どのような意味の違いがあるのでしょうか?
「しばらく」は「やや長い時間を隔てているさま」という意味を持っていますが、「過去の出来事」について、用いられるニュアンスがあります。
「しばらく戻っていない」という表現ができますが、これは過去の個とを指しています。
一方の「当面」は「今、現在直面していること」という解釈から「当分、戻ってこない」という使い方をすると、「未来のこと」を指していることが理解できます。
これらのことが相違点として挙げることができます。
「しばらく」と「当面」各々を使った例文と意味を解釈
では、ここで「しばらく」と「当面」を使った例文を見ながら、具体的な活用シーンをイメージしてみることにしましょう。
「しばらく」を使った例文と意味を解釈
「ここに戻ってくるのは、本当にしばらくぶりだな。何もかもが懐かしい」
このような場面で使われる「しばらく」ですが、数十年ぶりに故郷に戻ることができたのでしょう。
「しばらく」戻ることがなかった故郷に足を踏み入れて、昔のことが走馬灯のように甦って来たのです。
とても懐かしく涙が溢れ出ているのかもしれません。
「当面」を使った例文と意味を解釈
「当面のところは様子を見ることにしよう。今焦ってうかつに手を出すと、厄介なことになる」
何か目の前で、重大な問題が起こっているのでしょう。
本来ならば、すぐに解決するための行動に移りたいところなのですが、今は焦らず静観することにしたのです。
まとめ
「しばらく」と「当面」の2つの言葉の意味や使い方を紹介してきましたが、厳密に意味を見ると、やはり解釈に違いがあることが分かりました。
負担からよく使われている言葉だけに、ここでしっかりと意味を正確に理解して、正しく使いこなせるようにしておきたいものです。