日本語には色々な言葉がありますが、意味がとても似ている類義語もたくさんあります。
しかし、厳密に見ると、意味合いが微妙に異なっていることも少なくありません。
その中で、「欺く」と「騙す」という言葉も似ている言葉でありながら、若干の違いが見られます。
今回はこれら2つの言葉を解釈していくことにします。
「欺く」と「騙す」各々の解釈
「あざむく」という読み方の「欺く」と「だます」と読む「騙す」の意味を見ていきましょう。
「欺く」の意味や使い方
「欺く」は「監視の目を欺いて逃した」というような使い方をしますが、「偽ること」、「惑わし取り違えさせる」というような意味を持っています。
「惑わす」という意味では、「昼を欺くような明るさ」という使い方もできます。
「騙す」の意味や使い方
「騙す」は、「嘘を言ったり、偽物を使って本当と思わせること」や「ごまかしてそれを信用させる」という意味があります。
「人を騙して金品を盗み取る」という使い方になります。
「欺く」と「騙す」の違い
では、「欺く」と「騙す」には、どのような違いがあるのでしょうか?
2つとも「相手を裏切ること」という意味では共通していますが、その裏切り方が異なってきます。
「欺く」は、相手の期待や想像に反する行動を取ることで裏切るのですが、「騙す」は、言葉で相手に嘘を信じさせることになります。
「欺く」と「騙す」各々を使った例文と意味を解釈
では、ここで「欺く」と「騙す」を使った例文をそれぞれ見ながら、具体的な活用シーンをイメージしていくことにします。
「欺く」を使った例文と意味を解釈
「皆さんの信頼を欺く結果になってしまい、大変申し訳ありません」
「人を偽ること」という意味の「欺く」は、このように期待に反してお詫びする時にも使うことができます。
「欺いた」本人は、その気がなかったのですが、結果的に裏切る結果をお詫びしています。
このように「欺く」結果になったとしても、素直に真摯に謝りやり直すことで、再び信頼を取り戻すことができるでしょう。
「騙す」を使った例文と意味を解釈
「騙したな。お前の言ったことは全て嘘だったな。もうこれ以上は付き合えない」
やっと今になって「騙されて」いることに気付いたのかという感じです。
人を言葉巧みに「騙す」ことような時に使われるのですが、何れはバレてしまうことになるでしょう。
「騙す」人は確信犯的で、とても悪い人間ですが、「騙された」方も悪いと言われてしまう時代なので、甘い言葉には、十分注意しなくてはなりません。
まとめ
「欺く」と「騙す」という言葉の意味や使い方を見てきました。
これらの言葉は、普段の生活の中で時々耳にしたり、実際に使われている言葉でもあります。
しかし、決していい意味ではないので、悪い印象を覚える言葉であり、人間関係を壊してしまう行為でもあるので、この言葉が当てはまる行為はやってはならないことです。