この記事では、「引渡し」と「受け渡し」の違いを分かりやすく説明していきます。
「引渡し」とは?
「引渡し」は「ひきわたし」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「身柄を拘束した人を、軍や警察など管轄の機関に引き取らせること」という意味で、犯罪などで捉えた状態の人を、管轄機関へ移動させることです。
2つ目は「一度占有したものを他へ譲ること」という意味で、権力や武力などで自分の所有としたものを、他の所有に移すことです。
3つ目は「売買契約が成立した商品を、売り手の元から買い手に移すこと」という意味で、ビジネスで所有権が変わった時に、相手にその品物を渡すことです。
上記に共通するのは「出して来て渡す」という意味です。
「引渡し」の使い方
「引渡し」は「身柄を拘束した人を、軍や警察など管轄の機関に引き取らせること」「一度占有したものを他へ譲ること」「売買契約が成立した商品を、売り手の元から買い手に移すこと」という意味で使われます。
名詞として「引渡しする・した」と使われたり、動詞として「引渡す・引渡した」と使われたり、副詞として「引渡して貰う」などと使われます。
基本的に、自分の手元にある物を持ってきて相手に移すことに使われる言葉です。
「受け渡し」とは?
「受け渡し」は「うけわたし」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「貰うこととあげること」という元の意味で、単純に荷物を運搬する時に順番に手渡しすることです。
2つ目は「相手から何かを受け取り、代わりのものを渡すこと」という意味で、相手から報酬などを貰い、引き換えに代償となる品物を渡すことです。
3つ目は「取引において、売買成立後に代金と引き替えに商品を渡し、取引を完了すること」という意味で、法律が関わるやり取りのことです。
4つ目は「演劇で、一人のセリフを他の俳優につなげること」という意味です。
上記に共通するのは「何かを貰い代わりのものを渡す」という意味です。
「受け渡し」の使い方
「受け渡し」は「貰うこととあげること」「相手から何かを受け取り、代わりのものを渡すこと」「取引において、売買成立後に代金と引き替えに商品を渡し、取引を完了すること「演劇で、一人のセリフを他の俳優につなげること」という意味で使われます。
名詞として「受け渡しする・した」と使われたり、副詞として「受け渡して終わる」などと使われたり、動詞として「受け渡す・受け渡した」と使われます。
基本的に、あるものを貰う代わりに自分のものを相手にあげることに使われる言葉です。
「引渡し」と「受け渡し」の違い
「引渡し」は「自分の手元にある物を持ってきて相手に移すこと」という意味です。
「受け渡し」は「あるものを貰う代わりに自分のものを相手にあげること」という意味です。
「引渡し」の例文
・『本国の公安に密輸入者を引渡しする』
・『武力で支配した政権を本来の政党に引渡しする』
・『お互い契約書にサインまで交わした上で商品を引渡す』
・『倉庫で商品を確認した後に業者へ引渡す』
「受け渡し」の例文
・『玄関口で宅配便の受け渡しをする』
・『サービスカウンターで代金と商品の受け渡しをする』
・『この品物はお近くのコンビニで受け渡し可能です』
・『受け渡しが終わっていない商品がまだある』
まとめ
今回は「引渡し」と「受け渡し」について紹介しました。
「引渡し」は「相手に差し出す」、「受け渡し」は「引き替えにあげる」と覚えておきましょう。