この記事では、「作動」と「作用」の違いを分かりやすく説明していきます。
「作動」とは?
機械や装置などの運動部分が動くことです。
自動車にはブレーキという機能があります。
この機能はブレーキペダルを踏むことで働きます。
自動車に組み込まれている、タイヤを止めるという機能にかかわる部分が働くのです。
これを「ブレーキが作動する」といいます。
商店などには、防犯ゲートが設置されていることがあります。
商品の代金を支払わずに持ち出そうとすると、ゲートを通過するときに音が鳴ります。
これによって盗難を防ごうというものです。
ある人が商品代金を支払わずに店から出ようとしました。
そのときにゲートの音が鳴り響きました。
これは、ゲートの機能が働いたからです。
このことを「防犯ゲートが作動する」といいます。
「作動」の使い方
機械や設備などの運動部分が動くことを指して使用する言葉です。
人や植物など生命あるものには使用しません。
「作用」とは?
「作用」の意味は4つあります。
1つめは他のものに力が達するようにして影響を与えるです。
医薬品には、人間の体に何らかの力を及ぶす働きがあります。
たとえば、解熱剤を飲むと熱が下がります。
薬が人間の体に影響を及ぼしたのです。
この影響を与えることを「作用」といいます。
2つめは、生物が生命を維持していくための心身の働きです。
人間は食べものを口にして、消化して、腸から吸収をして、それによってエネルギーを得て生活をしています。
人間が生きていくためには、この働きが必要です。
食べものを分解するということでは「消化作用」といいます。
3つめは、2つの物体の間で、一方がもう一方に加えた力です。
4つめの意味は、フッサールの現象学で、何らかの対象に意識が向かう、その意識の働きです。
「作用」の使い方
他のものに力を及ぼすという意味で使うことが多いです。
生物の働き、機械の働きなど、さまざまな事柄に使用されます。
「作動」と「作用」の違い
「作」という漢字を使用している点が似ていますが、意味は異なります。
「作動」は機械や装置など生物でないものが働くことです。
警報機がなる、自動ブレーキが働くなどのことをいいます。
「作用」は他に力が達するようにして影響を与えることです。
また、生物が生物であり続けるための働きの意味もあります。
機械や装置だけでなく、生物にも使う言葉です。
「作動」の例文
・『防犯ブザーが作動した』
・『エンジンが作動するときの音が静か』
・『ファンが作動して回転しはじめた』
・『正常に作動しています』
「作用」の例文
・『どういった作用があるかわからない』
・『炎症を鎮める作用』
・『カフェインには利尿作用がある』
・『集中力を高める作用』
まとめ
「作」という漢字を使用している点が似ていますが、意味は異なり、一方は機械や装置が動くこと、もう一方は他に与える影響や生物が生物として存在するための働きを意味します。