「眺める」と「見つめる」はどちらも「何かを見る」際に使われる表現ですが、詳細な意味が異なるため注意が必要です。
この記事では、「眺める」と「見つめる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「眺める」とは?
「眺める」は「目に映るものの全体を見る」や「遠方を見渡す」「広く見る」といった意味があり、特定のものに集中せずに「何気なく見る」「ぼんやりと見る」という意味合いが強い表現です。
そのほか、「物事の流れを静かに見守る」といった意味で使用される場合もあります。
「見つめる」とは?
「見つめる」は「ある対象物に目線を合わせてじっと見る」や「対象物を凝視する」という意味を持ち、「見詰める」と表記することもあります。
視線だけでなく、「意識も対象物に集中している」という意味合いがあります。
「眺める」と「見つめる」の違い
次に、「眺める」と「見つめる」の違いを分かりやすく解説します。
「眺める」と「見つめる」は双方とも「人や物事を見る」際に使う表現ですが、細かな意味合いに違いがあります。
「眺める」は「遠方を全体的に見渡す」という意味があり、見ている間の意識も散漫またはぼんやりとしている状態を表します。
また、状況によっては対象物を見ながら他のことを考えている際などに使用するケースもあるようです。
一方、「見つめる」は「ある対象物から視線を外さずに凝視する」ことを指し、視線だけでなく意識も集中させて熱心に見るといった意味合いがあります。
「眺める」の例文
「眺める」は、「遠くの景色」や「光景」などを何気なく見渡す際に使用される表現で、日常生活の様々な場面で用いることが可能です。
なお、「目に映るもの」だけでなく、「特定の状況を何もせずに静観する」際に使われることもあります。
・『一日の中で最も好きな時間は、橋の上から夕陽を眺めているときです』
・『彼女は目の前に広がる青い海を眺めていた』
・『彼の趣味は望遠鏡で星空を眺めることだ』
・『彼は驚きのあまり茫然としてその状況を眺めていた』
「見つめる」の例文
「見つめる」は「特定の対象物を凝視すること」を指し、あるものを集中して見続ける際に使用します。
人や物のほかに「概念」や「状況」などに対して用いられることもあり、「眺める」と同じく幅広い場面で使われている表現です。
・『ふと気づくと、赤ちゃんが私の顔を見つめていた』
・『他の人を必要以上にじっと見つめるのは失礼にあたりますよ』
・『彼女はその絵画によほど感銘を受けたのか、穴が空くほど見つめていた』
・『我々はその事実をきちんと見つめる必要がある』
まとめ
「眺める」と「見つめる」の使い分けの鍵となるのは、それぞれが示す「目線」や「集中の度合い」にあるといえます。
両者の意味を正しく理解することで、ふさわしいシチュエーションでスムーズに使いこなせるようになるでしょう。
ぜひ参考にして役立ててください。