この記事では、「沈む」と「没する」の違いを分かりやすく説明していきます。
「沈む」とは?
「沈む」は「しずむ」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「水面上に浮かんでいたものが、水底に向かって下がること」という意味で、水の上にあったものが、水の中に入ることです。
2つ目は「そこだけ他より低くなる」という意味で、ある場所だけが他よりも低下することです。
3つ目は「下にあるものに入り込む」という意味で、重い物が下にあるものにめり込むことです。
4つ目は「天体が、地平線ヤ・水平線の下に見えなくなること」という意味で、太陽や月、星などが移動して見えなくなることです。
5つ目は「気分が落ち込む」という意味で、どんよりと暗い気持ちになることです。
上記に共通するのは「低下する」という意味です。
「沈む」の使い方
「沈む」は「水面上に浮かんでいたものが、水底に向かって下がること」「そこだけ他より低くなる」「下にあるものに入り込む」「天体が、地平線ヤ・水平線の下に見えなくなること」「気分が落ち込む」という意味で使われます。
動詞として「沈む・沈んだ」と使われたり、副詞として「沈んで消えた」などと使われたり、名詞として「浮き沈み」などと使われたりします。
基本的に、物や気持ちなどがそれまであった位置から下がることに使われる言葉です。
「没する」とは?
「没する」は「ぼっする」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「下に落ちたり埋もれたりして見えなくなる」という意味で、低下して他のものに紛れてしまい見えなくなることです。
2つ目は「亡くなる」という意味で、ある場所などで人が死ぬことの遠回しな表現です。
3つ目は「ないものと思って無視する」という意味で、目立たない様に意識して隠したり、気付かないふりをすることです。
4つ目は「所有物を取り上げる」という意味で、「没収する」とも言います。
上記に共通するのは「見えなくなる」という意味です。
「没する」の使い方
「没する」は「下に落ちたり埋もれたりして見えなくなる」「亡くなる」「ないものと思って無視する」「所有物を取り上げる」という意味で使われます。
動詞として「没する・没した」と使われたり、「没して失う」などと使われたり、名詞として「〇〇年没」などと使われたりします。
基本的に、それまであったところから下がり、何かに紛れて見えなくなることに使われる言葉です。
「沈む」と「没する」の違い
「沈む」は「物や気持ちなどがそれまであった位置から下がること」という意味です。
「没する」は「それまであったところから下がり、何かに紛れて見えなくなること」という意味です。
「沈む」の例文
・『ボートがひっくり返って沈む』
・『地盤が緩んで少しずつ家が沈む』
・『夕日がいっくりと水平線に沈む』
・『大切な人を失って悲しみに沈む』
「没する」の例文
・『かすかに見えていた建物の姿は暗闇に没した』
・『彼は病に倒れ異郷の地で没した』
・『自我を没してひたすら仕事に励む
・『法律に違反したので資格を没する』
まとめ
今回は「沈む」と「没する」について紹介しました。
「沈む」は「位置が下がる」、「没する」は「紛れて見えなくなる」と覚えておきましょう。