この記事では、火事になった際に重要になる「消火栓」と「消火器」の違いを分かりやすく説明していきます。
「消火栓」とは?
消火活動に必要な水を供給するための水道の給水栓で消防車のポンプ車はこの消火栓から給水することで消火活動を行います。
消火栓は市街地には多数設置されて防火の供えとなっていますが、山岳地などには消火栓が設置できないケースがあります。
この場合は水タンクを装備したタンク式の水槽付消防車を使用します。
消火栓のある地域では水槽付消防車は配備されていません。
マンホール式の消火栓そのものは放水機能までは備えておらず、消防車のポンプ機能によって放水します。
学校や病院などに設置される屋内用の消火栓は先端にノズルの付いたホースが格納されており、放水して消火作業が可能です。
また、箱状の屋外消火栓も同等の機能を持っています。
マンホールではないタイプの地面から突き出した形の消火栓は地上式消火栓と呼ばれ、マンホールでは積雪地帯で使えないというデメリットが解消できています。
また、このタイプのものは古くから使われているものもあり景観的な人気もあります。
白川郷に設置されている自動消火放水銃も屋外型消火栓の延長線上にあるものと言えます。
「消火器」とは?
粉末や薬液、二酸化炭素を噴霧して消火するもので、火事の初期消火に役立つものとなっています。
粉末式、薬液式ともに火災の原因に対して異なるものが用意されており、化学薬品の火災に対応した製品もあります。
使用後の後始末が簡単になった拭き取りやすい薬剤や水中心に噴霧する消火器も存在しています。
消火器は設置が簡単なことがメリットで鉄道車両やレースカーに設置することも可能で、もちろん住宅にも設置可能です。
ただしボンベ式となっているため重量があり、噴霧の仕方がやや難しく使用時間制限があり使い切りとなっているのが欠点といえ、防災訓練などに講習が行われています。
「消火栓」と「消火器」の違い
「消火栓」と「消火器」の違いを、分かりやすく解説します。
消火栓は水を出して消火することが出来る設備で、ホースから放水します。
屋内型ではホースが格納されているものが基本ですが、マンホール式のなどのものは消防車のポンプ車による使用が前提となっています。
水道から水を放水しているので、長時間の仕様が可能なところがメリットですが、基本的には消防士が扱うものと言えます。
消火器は粉末や薬液、二酸化炭素などで火を消すもので、消火栓よりも扱いやすく設置がしやすいところがメリットですが、使い切りとなっており長時間の使用はできません。
こちらは一般の人が使うことを前提にしています。
まとめ
消火栓と消火器は火を消すという目的は同じですが、一般人が使えるのが消火器とホースが格納された屋内型消火栓や屋外型消火栓で、消防車のポンプを消防士が使うことを前提にしているのがマンホールや地面に突き出た地上式消火栓となっています。