人間の行動によく用いられる「当意即妙」と「臨機応変」には、どのような違いがあるのか。
この記事では、「当意即妙」と「臨機応変」の違いを分かりやすく説明していきます。
「当意即妙」とは?
「当意即妙」は、「とういそくみょう」と読みます。
意味は、その場に応じた的確な機転を利かせることとなり、そのほか、気が利いているといった意味もあります。
この場合、スピード感が重要で、即座に対応することが求められます。
「当意即妙」の使い方
この「当意即妙」の場合、会話の中で気の利いた発言やタイミングの良さに対し用いられるといった特徴があり、機敏な動きといったような体の動きには用いられません。
そのため、「当意即妙な返答」や「当意即妙な受け答え」、「当意即妙な答弁」などといった使い方となります。
「臨機応変」とは?
「臨機応変」は、「りんきおうへん」と読みます。
意味は、その時、その場所、その状況に応じた適切な対処を行うことです。
マニュアル通りに行うのではなく、今の状況に応じて対処すべき方法、手段を適切に取ることが「臨機応変」です。
「臨機応変」の使い方
「臨機応変」の場合、用いられる範囲が限定されることはありません。
そのため、様々な用いられ方があり、「臨機応変な対応」や「臨機応変に対処する」、「臨機応変な立ち回り」などとなります。
「当意即妙」と「臨機応変」の違い
「当意即妙」と「臨機応変」の違いにおいて、まず、そのスピードに違いがあります。
「当意即妙」の場合、瞬間的な対応を意味する言葉となりますが、「臨機応変」の場合、さほど、スピード感を求められることはありません。
また、「当意即妙」は話の中での返答において用いられ行動に対して用いられることはありません。
それに対し、「臨機応変」は手段や対応に対し用いられるといった違いがあります。
「当意即妙」の例文
・『今回のコンペでは彼の当意即妙な受け答えのお陰で、コンペを勝ち取ることができた』
・『いつも無理難題を押し付けてくる上司に対しては、当意即妙な返答が必要だ』
・『お客様に対する当意即妙な対応は、サービス業において必要不可欠です』
・『ホテルマンになり、まず学んだことは、当意即妙な対応です』
「臨機応変」の例文
・『接客業において、最も重要視されるのは臨機応変な対応です』
・『予想外のことが起きても、慌てず臨機応変な対応を心掛けることが大切です』
・『どうしても、彼は言われたことしかできず臨機応変に行動することができない』
・『面接官に意地悪な質問をされても、臨機応変に対応する力が必要です』
まとめ
類語関係にある「当意即妙」と「臨機応変」には、以上のような違いがあります。
同じような意味を持つ言葉ですが、その対応におけるスピード感や会話の中で用いられる言葉なのか。
行動を伴う言葉なのか。
などといった違いを踏まえ、適切に使い分けることが必要です。