動詞には自動詞と他動詞という分け方があります。
簡単に言えば目的語が必要無いのが自動詞で、必要なのが他動詞です。
例えば「水を飲みます」は自動詞で、「あなたに水を飲ませます」は他動詞です。
それでは「間違う」と「間違える」は自動詞と他動詞でしょうか。
この記事では、「間違う」と「間違える」の違いを分かりやすく説明していきます。
「間違う」とは?
「間違う」とは、文字通り「まちがう」ことです。
成り立ちとしては「違う」に「間」がついた言葉であり、「間」は伝統芸能や漫才などでも話題になる「ま」です。
つまり、「まが違う」ということになり、「正しいものがあってそれと違う状態になった」ことを表す言葉になります。
「間違える」とは?
「間違える」とは、文字通り「まちがえる」ことです。
前述のように、「間」は「ま」なので、「間違える」は「まを取り違える」という意味になり、一般的には、「本当はBであったものをAとしてしまう」というようなことを伝えたい場合に使われる言葉です。
「間違う」と「間違える」の違い
「間違う」と「間違える」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは意味としては同じと言っていいでしょう。
入れ替えてもほとんど違和感はありません。
「間違う」が自動詞で「間違える」が他動詞であると解釈している人もいるようですが、正しくありません。
なぜなら「数字を間違う」「数字を間違える」のように2つとも目的語がなくても成立するからです。
では、違いはどこにあるのでしょうか。
それは非常に微妙なのですが、「間違う」には、「あるべきではない状態である」というニュアンスが多く含まれているのに対して、「間違える」には「何かと何かを取り違える」また、「?してしまった」というニュアンスが多く含まれているという部分です。
その意味では「間違える」の方がより重い感じはします。
違いに関してはこの後の使用法を見ていただければニュアンスは分かるはずです。
「間違う」の例文
「間違う」の例文は以下のようになります。
・『算数の計算の答えを間違ってしまいました』
・『人間だから間違った選択をすることもあります』
・『間違うことを恐れていては前に進めません』
・『間違いとは間違ったことを言います』
・『この回答は明らかに間違っています』
「間違える」の例文
「間違える」の例文は以下のようになります。
・『算数の計算の答えを間違えてしまいました』
・『人間だから間違えたのです』
・『間違えることを恐れていては前に進めません』
・『間違いとは間違えたこととは微妙に違います』
・『この回答は明らかに間違えています』
まとめ
この記事では、「間違う」と「間違える」の違いを、解説してきました。
序文で述べた自動詞と他動詞に関して最も大きな勘違いは「自動詞の主語は自分で、他動詞の主語は他の人や物」だというものです。
よく考えれば「私が飲みます」「私が飲ませます」のように主語は関係なく、前述のように「目的語の有無」が重要なのです。
今回の2つが自動詞、他動詞だと言っている意見はこんなところから出てきているのでしょう。