人が人に対し行う行為「気取る」と「勿体ぶる」。
あまり、良い意味で用いられないといった共通点があります。
この記事では、「気取る」と「勿体ぶる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「気取る」とは?
体裁をつくろい、とりすますことを「気取る」と言います。
実際に自分よりも大きく見せ、かっよよくしたり、周りの人によく思われようとしたりすることを意味し、自分自身を飾り立てることが「気取る」です。
また、「気取る」には、そのものになった気で、それらしい振る舞いをする、それと感づく、心を配って用意しておく、といった意味もあります。
「気取る」は、言い換えれば、「格好をつける」、「すかす」、「お高くとまる」、「すまし込む」などと同じです。
「気取る」の使い方
「気取る」には、「気取った態度」や「気取った話し方」、「気取った様子」、「気取らない性格」といった自分を飾り立てる意味としての用い方。
「通行人を気取る」や「専門家を気取る」、「女房気取り」といった、それらしい様子をするといった用い方があります。
「勿体ぶる」とは?
いかにも重々しく振舞うことを「勿体ぶる」と言います。
「勿体ぶる」の場合、元々はたいしたことではないにもかかわらず、いかにもたいしたことのようにふるまう行為を意味します。
「勿体ぶる」は、言い換えれば、「格好をつける」、「すかす」、「お高くとまる」、「すまし込む」などと同じです。
「勿体ぶる」の使い方
「勿体ぶる」は、「勿体ぶらずに」や「勿体ぶって話す」、「勿体ぶらない」といった形で用いられます。
「気取る」と「勿体ぶる」の違い
「気取る」と「勿体ぶる」は、類語の関係となり、同じような意味を持つ言葉となります。
そのうえで、「気取る」の場合には、体裁をつくろう行為が含まれ、「勿体ぶる」には含まれません。
また、「勿体ぶる」には、いかにも重々しく振舞うといった意味がありますが、「気取る」には、重々しく振舞うといった行為は含まれません。
その2点において、類語でも異なった意味を持つ言葉となります。
「気取る」の例文
・『彼女は、ずいぶん、気取った話し方をする人ですね』
・『幼い女の子が、お母さんの真似をして気取った様子でいるのを見ると、微笑ましく思います』
・『彼女でもないのに、俺の彼女気取りをする女に嫌気がさす』
・『彼女の気取らない性格がクラスで人気者になっている要因です』
「勿体ぶる」の例文
・『勿体ぶらずに、さっさと話しなさい』
・『たかが、席替え発表ごときに勿体ぶらないでほしい』
・『子供が幼稚園での出来事を勿体ぶって話さない様子には、愛おしさを感じます』
・『結局、彼は、勿体ぶって何があったのか教えてくれませんでした』
まとめ
以上が、「気取る」と「勿体ぶる」の違いです。
体裁をつくろう行為が含まれているのか。
それとも、重々しく振舞う行為が含まれているのか。
その違いによって使い方が求められる言葉です。