「陽動」と「扇動」の違いとは?分かりやすく解釈

「陽動」と「扇動」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、他へ注意をそらすために、わざと別の行動をとる「陽動」と人の気持をあおり立て、ある行動を起こすようにしむけることを指す「扇動」の違いを分かりやすく説明していきます。

「陽動」とは?

「陽動」とは?

メインとなる目的の行動に目をつけられないようにわざと別の行動をとってそちらに目をつけさせるということを指します。

陽動する、陽動作戦などの使い方があります。

戦争では陽動作戦が必ず行われているとされ、ゲームなどでも陽動作戦が再現されているものもあります。

陽動作戦を行うには最低でも二組に分かれる人員が必要になりますが、二人で行うのは現実的とは言い難いでしょう。

一定の組織になると陽動のために編成された部隊が作られることもあります。

よほど大胆な作戦でない限り陽動の方にその組織の最強の兵器などは投入しません。

スポーツではメディアへのアピールなどによる試合前の陽動作戦などという使われ方があり、特定の選手に目を向けさせ他の選手の研究を手薄にさせる目的を指し、野球の試合においては盗塁をするふりをして投手に揺さぶりをかけるなどが陽動作戦の範囲に入っています。

「扇動」とは?

アジテーションの訳語で、人々を煽らせ行動させることを指す言葉です、大衆扇動、デモの扇動という使い方があります。

ヒトラーが扇動を得意としており、人々の心を巧みに先導して世の中を動かしていたとされていますが、扇動そのものが悪い行動とは限らないので注意が必要です。

扇動者は扇動を行う者という意味で、環境問題や反政府などの扇動者などがよく見られるケースで、マスコミに取り上げられるのは扇動者に動かされたものよりは扇動者そのものであるケースが多くなっています。

国の制度によっては扇動者は国の安定を妨げるものとして目をつけられ、逮捕されていしまうケースもあります。

嘘をついて人を扇動しようとすることを批判してデマゴーグと呼びますが、こちらは古代ギリシャの人名が発祥となっています。

「陽動」と「扇動」の違い

「陽動」と「扇動」の違い

「陽動」「扇動」の違いを、分かりやすく解説します。

「陽動」は本体となる目的に目を向けさせないために別の目立つ行動を行うことで、戦争において行われる作戦でもあります。

団体によっては扇動をしてデモ活動に目をつけさせて別の目的を果たすということもあり、陽動の手段として扇動はありえます。

「扇動」は大衆を煽って動かすことでデモ行進が扇動での行動の代表的なものです。

扇動が行き過ぎると暴力的行動にまで進むこともあります。

扇動は傍から見れば善悪がありますが環境問題や差別など大きな問題をテーマに動くことが多くなっています。

扇動をする際に陽動をさせるケースはかなり少ないと言えるでしょう。

まとめ

まとめ

「陽動」「扇動」は連動するものではない言葉で、陽動のために扇動することはありますが逆はまずありません。

陽動は戦争での作戦でもあり、一般の目には止まりにくくありますが、扇動は社会問題化するため目立ちやすい存在とも言えます。