「港湾」と「漁港」の違いとは?分かりやすく解釈

「港湾」と「漁港」の違い言葉・カタカナ語・言語

海を利用するために作られる施設として「港湾」「漁港」があります。

このふたつの施設の違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、「港湾」「漁港」の違いについて解説します。

「港湾」とは?

「港湾」とは?

「港湾」とは、「海洋を利用する目的で海沿いに整備される施設」を指す言葉です。

一般的な「港湾」とは「沿岸に作られる船の発着場や貨客の積み下ろし設備などを備えた大型の施設」を意味します。

「船が出入りし人や荷物を運ぶための施設」「港湾」であり、天然の地形を活かしながら大規模な工事によって作られる人口施設です。

もともとの「港湾」は入江や湾など自然の地形のうち船が接岸しやすく人が利用しやすい地形を指す言葉でした。

自然の地形を利用しているうちにもっと利用しやすくしようと人の手が入るようになり、はしけや桟橋などが整備された現在の姿に変わっていったという歴史があります。

遠く離れた地から地へと人や物資を輸送し水上交通の基点として機能しますが、それぞれの「港湾」を基点に内陸部へと人や物資が運ばれる陸上交通の基点としても重要な役割を持つ施設です。

狭義では「港湾」といえば船着場や荷揚げにおろし設備など沿岸部に整備された施設のみを意味しますが、広義では園周辺に作られた倉庫群や流通ターミナルなどの関連施設も含まれます。

「港湾」の使い方

・『港湾の整備について議会で話し合いが行われた』
・『地域の発展に港湾の整備は欠かせない』
・『港湾労働者のストライキが発生したため物流が滞っている』
・『大型クレーンが導入されたことで港湾の荷揚げ能力が大幅に向上した』

「漁港」とは?

「漁港」とは?

「漁港」とは、「漁業の拠点となる港」を意味する言葉です。

「漁業を行う漁船が出入りし燃料や物資を補給したり水揚げした魚介類を処理したりする施設」のことを「漁港」といいます。

漁業を円滑に進めるための設備や施設が整備されているのが特徴で鮮度を保つために必要な氷を供給する給氷機や冷凍倉庫などほかの港ではあまり見られない設備が充実しています。

漁船によって水揚げされた魚を流通に乗せる市場や取引施設が整備されているのも特徴のひとつです。

漁船によって水揚げされた魚介類は鮮度が落ちないうちにセリにかけられ各地へと出荷されていきますが、取引のための市場などの施設も「漁港」に含まれます。

「漁港」の使い方

・『漁に向かう漁船が漁港から次々に出発していく様子を見学する』
・『久しぶりの豊漁に漁港は大いに賑わった』
・『漁港から直送された新鮮な魚介類を味わう』
・『台風が近づいているので漁港が閉鎖された』

「港湾」と「漁港」の違い

「港湾」と「漁港」の違い

「港湾」「漁港」はどちらも海を利用するために作られた港です。

「港湾」「漁港」の違いは「適用される法律」です。

「港湾」は港湾法に基づいて整備される施設で国土交通省が管轄します。

「漁港」は漁港漁場整備法に基づいて整備される施設で農林水産省の管轄です。

「港湾」は人や物資を輸送する船のための施設、「漁港」は漁業を行う漁船のための施設という目的にも違いがありますが法律によって明確に区別されています。

まとめ

まとめ

どちらも同じように船が出入りする「港湾」「漁港」ですがふたつの施設には明確な違いがあります。

混同しないようにそれぞれの言葉の定義をしっかり覚えておきましょう。