美術作品を作成するときに基本となる要素の一つが「構図」であると言われます。
そもそも美術的な美しさの基準の一つがバランスや形なので、それらをどう画面の中に「構成」するかということが重要になるのは当然です。
それではこの「構図」や「構成」とはどういう意味でしょうか。
また、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「構図」と「構成」の違いを分かりやすく説明していきます。
「構図」とは?
「構図」とは、英語で「composition」と呼ばれるように、主に美術作品などの画面上に何をどのように配置するかと言うことを指す言葉です。
例えば絵画で言えば画面の右4分の位置に顔を配置し、左側に空と海の青を、その下に赤い大地を見せると言うような構成を「構図」と言います。
多くの場合にはそれらの構成やバランスによって見た人に与える影響が大きく変わってきます。
ここから派生して、画面上の配置をストーリー上の配置に置き換えて「小説のストーリーの構図」などという言い方もできます。
「構成」とは?
「構成」とは、一般的には「ひとつひとつの部品や部分が集まってできたもの」と言う意味の言葉です。
個々の集まりという意味でさまざまな分野で使用される言葉になっています。
例えば哲学では、概念の操作によって認識を作り出すことを表し、音楽においては作曲そのものをいう言葉になっています。
英語では、「構図」と同じような意味で使用する場合は「composition」であり、要素の集まりニュアンスが大きい場合は「structure」が近いでしょう。
「構図」と「構成」の違い
「構図」と「構成」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は美術作品などにおいて部品や部分をどのように選択して配置するかということを表す言葉であるのは共通しています。
実際、多くの場合において同じような意味で使われることもあります。
両者の違いとして最も大きいのは、「構図」が特定の画面の中での配置のみを対象にしているのに対して「構成」はもっと広く、部分が集まったもの全てに対して言える言葉です。
「構図」の例文
「構図」の例文は以下のようになります。
・『絵画の構図を考えるのは最初のステップとしてとても重油です』
・『刑事の調査によって、今回の犯罪の構図が明確になってきました』
「構成」の例文
「構成」の例文は以下のようになります。
・『写真において画面構成の基本は何を中心に据えるかと言うことです』
・『このゲームを構成するのは数多くのキャラクターとエモーショナルはストーリーです』
まとめ
この記事では、「構図」と「構成」の違いを、解説してきました。
写真家のような職業でなくても現代のようなSNS時代においては写真を撮ってみんなに見てもらうという行為は誰もができます。
したがって、一般に人にとっても写真の「構図」はとても身近なものと言えます。
SNSに投稿されている写真を見て何か魅力を感じる時には、その「構図」が優れていると言う場合も多いものです。