同じ「口」を用いる「口達者」と「口八丁」には意味の違いはあるのか。
この記事では、「口達者」と「口八丁」の違いを分かりやすく説明していきます。
「口達者」とは?
「口達者」とは、口が達者なことを意味し、この「達者」には、巧みなさまといった意味があります。
そのような意味を持つ「達者」に「口」が付くことで、物言いが巧みで、よくしゃべるといった意味になります。
「口達者」の類語には、「口巧者」、「口上手」、「雄弁」、「饒舌」などがあります。
「口達者」の使い方
「口達者」の場合、「口達者な男」や「口達者な人」、「口達者な奴」などといった使い方となり、あまり、いい意味で用いることが少ない言葉となります。
「口八丁」とは?
「口八丁」の「八丁」には、物事に巧みなこと、達者であることといった意味があります。
職人などが八つの道具を自由自在に使いこなすことから「八丁」という意味が、このような意味になりました。
そんな意味を持つ「八丁」に「口」が付くことで、物言いが巧みといった意味になります。
「口八丁」の類語には、「巧みなことば使い」、「言葉巧み」、「巧言令色」、「口上手」などがあります。
「口八丁」の使い方
「口八丁」の場合、「口八丁手八丁」という言葉があります。
この言葉には、物言いもすることも巧みといった意味があります。
このように聞くと、褒め言葉のように思えますが、実際に「口八丁手八丁」を用いる場合は、嫌味として用いる場合が多く、決して褒め言葉ではありません。
そのほか、「口八丁な人」や「口八丁な営業マン」などといった形で用いられます。
「口達者」と「口八丁」の違い
物言いが巧みといった意味では同じ意味として用いられる「口達者」と「口八丁」ですが、「口達者」には、もう一つ意味が加わります。
それが、「よくしゃべる」です。
この「よくしゃべる」といった意味が、「口達者」にしかありません。
また、共通点として、「口達者」も「口八丁」も決して誉め言葉ではありません。
「口達者」の例文
・『あいつは本当に口達者な奴だ。まんまと、騙されてしまった』
・『あの子は、大人の話にも、なんでも口を挟んでくる口達者な子供です』
・『口達者な人に口下手な私が勝つことなどできません』
・『男の場合、口達者な奴の方がモテる傾向にあると私は思う』
「口八丁」の例文
・『口八丁でいい話ばかりするような人は信用できません』
・『母は、いつも口八丁なセールスマンの話に聞き入ってしまい、結局、無駄なものを買わされてしまいます』
・『口八丁な彼にとって、営業マンは天職です』
・『あいつは本当に口八丁手八丁なお調子者だ』
まとめ
以上が、「口達者」と「口八丁」の違いです。
どちらも褒め言葉として用いられる言葉ではなく、嫌味といった形で用いられる共通点があります。
同じ意味として用いることは可能ですが、「よくしゃべる」といった意味で用いる場合は、「口達者」のみとなります。