我々の生活は突発的なことで思いがけない物理的なダメージや経済的なダメージを受けることがあります。
そんなときの為に、中世ヨーロッパの人間は『ギルド』という同業者組合を結成し、けがや病気などで仕事ができなくなってしまい、親族や遺族が困らない様に助け合う制度を作ろうとしたのが『保険』のはじまりとされています。
日本には福沢諭吉が1867年に『西洋旅行案内』で初めて『生命保険』というものを紹介し、1881年に現在の明治安田生命のもとである『有限明治生命保険会社』ができて現在に至ります。
これ以外にも『医療保険』や『火災保険』など様々な保険がありますが、新聞やCMでは『県民共済』などの言葉を聞いたことはありませんでしょうか。
果たしてこれら『共済』と『保険』の違いはなんなのでしょうか。
この記事では「共済」と「保険」の違いを分かりやすく説明していきます。
「共済」とは
まず、この単語の意味ですが『互助的救済組合で主に仕事や生活の地域を同じにしている人々で一定の掛け金を負担して基金を作り、病気やケガ、死亡などの際に給付を受けられる仕組み』のことを言います。
平たく言うと『組合メンバーとメンバーの家族が入ることのできる保証制度』と言えます。
基本的に非営利事業であり、とても手頃な掛け金で保証を受けることができます。
また、内容も非常にシンプルで分かりやすい仕組みになっているのも特徴です。
もちろんデメリットも存在しており、上記に上げた仕組みがシンプルであるということの背反事項として保証の設定に関してはあまり自由度がなく、決められた一定のものの中から選ぶしかないという部分があります。
もちろん、金額も掛け金が低いこともあり、保証が少ないという部分があります。
「保険」とは
一方『保険』とはとても馴染み安い言葉ではないでしょうか。
基本的に仕組みは先ほどの『共済』と同じく、お金を掛けて保証を受けるというものですが、こちらは営利目的、つまりビジネスです。
保険金や保険料の算出は非常に複雑な計算や仕組みで成り立っており、例えば、死亡率に基づく『生命表』を基にして金額を算出したり、厚生労働省の『患者調査』などから作成される『受療率』などを年齢別、男女別でグループをつくり細かく設定しているとても数理で計算されている世界です。
『保険』はとても自由な組み立てができ、掛け金次第で大きな保証も受けられますし、掛け捨て型や貯蓄型の保険など自分の生活や目的に合った保証を組み立てることができます。
しかしとても複雑ですので、しっかりと自分で理解をしていないと無駄な保険料を支払うことになるという側面もあります。
「共済」と「保険」の違い
この二つは様々な違いがありますが、大きくは『非営利』なのか『営利』なのか、『組合員だけ』なのか『誰でも』加入できるのか、『一定のパッケージが決まっている』のか『自由な組み合わせができるのか』という違いがあります。
特に『保険』を選ぶ際は安易に回りが選んでいるからとか、保険会社から勧められたからという安易な考えではなく、しっかりとご自分の生活や『保険』でカバーしたい部分を十分理解した上で選ぶ様に心掛けたいものです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
言葉に馴染みはあっても以外にも違いが判らないのが『共済』と『保険』でした。
どちらもご自身の生活や家族の未来を守る為に考え出されたシステムではありますが、ある意味では『投資』の様な側面も持っています。
日本は他国と比較しても社会保障がとても手厚い国ですので、しっかりと国の保証制度や経済事情を見定めて、正しい『共済』や『保険』を選ぶ様にしましょう。