皆さんは「搾取」と「詐取」の忌をご存知でしょうか?
そこでこの記事では、「搾取」と「詐取」の違いを分かりやすく説明していきます。
「搾取」とは?
「搾取」は「さくしゅ」という読み方になります。
意味としては「乳や草木の汁などを絞り取ること」といいうことを指していますが、一般的には「絞り取ること」から転じて「社会の仕組みの中で階級支配層や企業の経営者など生産手段の所有者・上位者が直接的に生産者・労働者を生活を維持するために必要な労働時間以上に働かせることで、労働によってもたらされた生産物や成果を剰余した価値として取得すること」を意味するようになりました。
「詐取」とは?
「詐取」は「さしゅ」という読み方になります。
意味は「人を騙して金銭や高価な品などを取ること」、あるいは「かたり取ること」などのことを言っています。
「搾取」と「詐取」の違い
ここで「搾取」と「詐取」の違いをあらためて整理していみましょう。
2つの言葉には「取る」という意味合いを持つ「取」があり、非常によく似た表記のしているのですが、どのような解釈の違いがあるのでしょうか? 「搾取」は「資本家などの支配階級層が労働者を生活を維持させるための労働時間以上に働かせることで、そこで生まれた利益を絞り取る」ということを言っています。
言いかえると、「搾取」は「絞り取る」ということから、「労働者を安い賃金で働かせて利益を独占すること」を指しているのです。
一方の「詐取」は「金品を騙し取る」というシンプルな解釈になります。
「搾取」の例文
では、ここで「搾取」の例文を見て見ることにしましょう。
・『100年以上前の資本社会から社会の支配階級層は労働者を過剰に働かせて利益を搾取していた歴史があるが、その構図は今でも変わることはない。社会的構造改革が今こそ必要なんだ』
・『ウチの社長はワンマン経営者だから、社員が一生懸命働いても、搾取されるだけなんだ。これでは多くの社員が辞めてしまうことになるな』
「搾取」の例文は上記のようなものになりますが、やはり無理な労働を強いる企業の経営者のことを指して使われているイメージが強い言葉かもしれません。
「詐取」の例文
では、次に「詐取」の例文を見てみましょう。
・『高校の時に口達者だった山下が今何やっているか、仲間内の中で噂になっていたんだけど、どうも知人から数千万円の詐取の容疑で捕まったらしいぞ』
・『マズい。昨日、飲みに行った店でカードを使ったんだけど、どうもスキミングで個人情報を詐取されたようだ。これだとすぐに利用停止手続きをしなくちゃならない』
まとめ
ここまで「搾取」と「詐取」の意味や違いを説明してきました。
これらの言葉は日常生活の会話の中で使うというよりは文章を書く際に使われるケースが考えられます。
但し、見た目が非常に似ているので、解釈を誤りそうな言葉でもあるので、ここでしっかりとチェックしておきましょう。