この記事では、「沙汰」と「淘汰」の違いを分かりやすく説明していきます。
「沙汰」とは?
「沙汰」は「さた」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「ものごとの是非や善悪などを論じて裁くこと」という意味で、ものごとをよく吟味した上で判決を下すことです。
2つ目は「決定事項を知らせること」という意味で、自分以外の人が決めたことを指示命令されることです。
3つ目は「便りや知らせ」という意味で、相手から音信があることです。
4つ目は「現在の話題として取り上げること」という意味で、ある内容について取り上げてあれこれ話し合うことです。
5つ目は「問題行為・迷惑行為とされること」という意味で、通常の人はまずしない行為のことです。
上記に共通するのは「ものごとの状態」という意味です。
「沙汰」の使い方
「沙汰」は「ものごとの是非や善悪などを論じて裁くこと」「決定事項を知らせること」「便りや知らせ」「現在の話題として取り上げること」「問題行為・迷惑行為とされること」という意味で使われます。
名詞として「沙汰する・した」「沙汰がある・ない」「警察沙汰」「色恋沙汰」「音沙汰」「ご無沙汰」などと使われます。
基本的に、ものごとを良く判断した結果の状態や、人やものごとの状態を話題にすることに使われる言葉です。
「淘汰」とは?
「淘汰」は「とうた」と読み、の意味は以下の通りです。
1つ目は「水で洗ってより分けること」という元の意味で、洗い流しながら必要な物を残すことです。
2つ目は転じて「数多くの中から不要なものを除き去ること」という意味で、たくさんある中でいらない物や相応しくないものを取り除くことです。
3つ目は「その環境に適応した生物が生き残り、他の生物は滅びる現象」という意味で、「自然淘汰」とも言われます。
4つ目は「自然現象で、水や風の流れにより、堆積物がより分けられること」という意味です。
上記に共通するのは「より分ける」という意味です。
「淘汰」の使い方
「淘汰」は「水で洗ってより分けること」「数多くの中から不要なものを除き去ること」「その環境に適応した生物が生き残り、他の生物は滅びる現象」という意味で使われる言葉です。
名詞として「淘汰する・した」「淘汰される・された」「自然淘汰」などと使われます。
基本的に、日常で使われる場合、数多くの中からその環境に適したものだけが生き残り、他は滅びることに使われる言葉です。
「沙汰」と「淘汰」の違い
「沙汰」は「ものごとを良く判断した結果の状態」「人やものごとの状態を話題にすること」という意味です。
「淘汰」は「数多くの中からその環境に適したものだけが生き残り、他は滅びること」という意味です。
「沙汰」の例文
・『地獄の沙汰も金次第というほど、お金が物を言う世の中だ』
・『追って沙汰があるまで自宅待機する』
・『友人からこのところ何の音沙汰もない』
・『彼は酒に酔って暴れて警察沙汰になった』
「淘汰」の例文
・『ブラック企業はそのうち淘汰される』
・『この世界は自然淘汰によって生き残った生物により成り立っている』
・『このゼミでは成績の悪い奴は淘汰されていく』
・『ラーメン激戦区では淘汰が激しい』
まとめ
今回は「沙汰」と「淘汰」について紹介しました。
「沙汰」は「ものごとの状態や話題」、「淘汰」は「適したものだけが残ること」と覚えておきましょう。