同じような見た目でも「シンプル」と「殺風景」では大違いです。
具体的にはどのような意味の違い区別されているのでしょうか。
今回は、「シンプル」と「殺風景」の違いについて解説します。
「シンプル」とは?
「シンプル」とは、「余計なものが削ぎ落とされていてスッキリしていること」を意味する言葉です。
一般的には「単純でムダのない様子」を「シンプル」と表現しますが、人により基準や解釈にバラつきの多い言葉であり使う場合は注意が必要です。
「シンプル」は物事の様子を表す言葉なのでそれ自体に価値や意味はありません。
「シンプル」であることがいいときもあれば悪いときもある、ひとによっても場所や時間によっても意味合いの変わる言葉です。
現在は「シンプル」という表現は「不要な要素が見当たらない」というポジティブな意味合いで使われることが多く、そのようなデザインを好む人もたくさんいます。
しかし「シンプル」であることが好ましくないネガティブな意味合いで使われるケースも少なくありません。
例えば豪奢なドレスを作りたい場合などはいろいろな飾り付けをした「シンプル」ではないデザインがよいものとされます。
「余計なものがない」というのは「単純である」というネガティブな意味にも通じており人の考えや理屈が「シンプル」であるのは理解しやすく伝えやすいというポジティブな面と奥深さがなく底が浅いというネガティブな側面の両方を持ち合わせています。
「シンプル」の使い方
・『家具はシンプルなデザインが好みだ』
・『シンプルだが造りはしっかりしている』
・『やらないで後悔するよりやって後悔する方がマシ、というシンプルな考えで行動したせいで悲惨な目にあった』
・『プレゼントにするにはシンプル過ぎて張り合いがない』
「殺風景」とは?
「殺風景」とは、「見栄えのするものがなくつまらない風景」を意味する言葉です。
「風景」とは「そこにあるそのままの景色」を意味する言葉です。
場所によっては見る人を感動させるほど素晴らしい風景や遠くから人々が一目見ようと集まってくる価値が高い風景もありますが、そのように優れた風景とは反対に位置する「とりたてて見るところのない面白みにかける風景」を指す言葉が「殺風景」です。
「殺風景」は「人が見て面白くない風景」を指す言葉なので自然の風景に対しても使われます。
枯れ木ばかりの山などは自然の風景でありながら見ていてもちっとも楽しくない「殺風景」です。
単調で変化がない風景を指して使われることが多いですが、派手だったりし物が多かったりして趣に欠ける風景のことも「殺風景」と表現します。
「殺風景」の使い方
・『部屋が殺風景なので絵でも飾ろうかと思う』
・『窓を開けても見えるのは殺風景な裏庭だ』
・『殺風景だった部屋が見違えるようにおしゃれになった』
・『引っ越したばかりなので部屋が殺風景なのも仕方がない』
「シンプル」と「殺風景」の違い
「シンプル」と「殺風景」の違いは「価値の有無」です。
「シンプル」は単純ながらどこかに面白みや価値があるものを表す言葉です。
ネガティブな意味合いで使われる場合でも判断が分かれているだけで何らかの価値は認められています。
「殺風景」は価値がない風景を表しており心に引っかかるところがない無価値な風景であり何らかの価値が認められる「シンプル」とははっきり違う表現です。
まとめ
主にインテリアに関する話題で使われることが多い「シンプル」と「殺風景」ですが、はっきりとした違いはあるもののふたつの差は紙一重なので慎重に判断してください。