「砂鉄」と「鉄粉」の違いとは?分かりやすく解釈

「砂鉄」と「鉄粉」の違い専門用語・業界用語

冬になると重宝するのが携帯用とか使い捨てと言われるカイロです。

小さくても暖かいので便利ですが、これがどのような原理で暖かくなるのかをちゃんと説明できる人は少ないでしょう。

重要なのは「鉄粉」です。

それでは、この「鉄粉」とはどういうものでしょうか。

また、「砂鉄」とはどこが違うのでしょうか。

この記事では、「砂鉄」「鉄粉」の違いを分かりやすく説明していきます。

「砂鉄」とは?

「砂鉄」とは?

「砂鉄」とは文字通り「砂状の鉄」のことです。

公園の砂場に充填してある砂の中にたくさん含まれており、磁石を使用すれば黒いトゲトゲした物質として集める事ができます。

実体としては火山性の石や岩の中に含まれる「磁鉄鉱」という鉱物が長年にわたって風化し、堆積したものが砂の中に入ったものです。

化学的には「四酸化三鉄」と呼ばれるもので、化学式は鉄と酸素からできています。

英語では「iron sand」と呼ばれています。

「鉄粉」とは?

「鉄粉」とは?

「鉄粉」とは、文字通り「鉄の粉」のことで、主に精製した鉄(Fe)を粉状に加工したものです。

様々な目的で使用されていますが、一番馴染みがあるのは使い捨てカイロです。

使い捨てカイロには「鉄粉」と水、活性炭などが入っており、袋から取り出すことによって「鉄粉」が空気中の酸素と化合する時に熱を発生すること利用しています。

「鉄粉」は他にもコピー機のトナー用のキャリア(トナーを保持して運ぶ役割を持つ)としても数多く使用されています。

英語では「iron powder」と呼ばれています。

「砂鉄」と「鉄粉」の違い

「砂鉄」と「鉄粉」の違い

「砂鉄」「鉄粉」の違いを、分かりやすく解説します。

この2つは成分として鉄(Fe)が含まれた粉状の物質であることに関しては同じですが、そもそも実態が全く違います。

すなわち、「砂鉄」の実体は火山性の石や岩の中に含まれている磁鉄鉱の小さな塊で、鉄の酸化鉱物ですが、「鉄粉」は鉄そのものであり、精製したものを粉状に加工したものです。

別の言い方をするなら、「砂鉄」はほぼ自然のものですが、「鉄粉」は作られたものであるとも言うこともできます。

「砂鉄」の例文

「砂鉄」の例文

「砂鉄」の例文は以下のようになります。

・『公園の砂場の中で棒磁石を使うとたくさんの砂鉄を集める事ができます』
・『砂鉄は砂があるところにはどこにでも存在しています』

「鉄粉」の例文

「鉄粉」の例文

「鉄粉」の例文は以下のようになります。

・『鉄粉は使い捨てカイロの主要な材料として使用されています』
・『鉄粉を吸い込むと肺に良くないので、気をつけなければなりません』

まとめ

まとめ

この記事では、「砂鉄」「鉄粉」の違いを、解説してきました。

前述のように、一般的な使い捨てカイロは「鉄粉」が酸化するときに発生する熱を利用しています。

ただ、発生した熱はそのままだとすぐに逃げてしまって冷たくなってしまうので、できるだけ長続きさせるために使われているのが活性炭です。

活性炭は表面にたくさんの小さな穴が空いているために、様々な用途に使用される便利なものです。