この記事では、「生物浸透」と「拡散」の違いを分かりやすく説明していきます。
生物にまつわる単語を学んでいきましょう。
「生物浸透」とは?
生物浸透とは生物の働きのひとつ。
植物や動物の細胞が、生きるためにおこなっている活動です。
細胞はいつも同じように見えますが、実際にはそうではありません。
それぞれの濃度が異なっていると、中の成分が右から左へ移動することもあります。
この移動を「生物浸透」とよんでいます。
この移動をおこなうとき、大切なカギを握っているのが「細胞膜」です。
細胞膜はコーヒーに例えるなら、フィルターのようなもの。
余分なものが流れ出ないように、ストッパーとして活躍しています。
そのため「浸透圧」という力が働くとき、細胞膜をとおりながら水の分子だけが移動します。
このとき「濃度の薄い方から、濃い方へ」水はながれていきます。
薄いものから濃いものへ、濃度の調整がおこなわれるものが生物浸透です。
「拡散」とは?
拡散とはある物質が空間にひろがって、均一な濃度になること。
同じ濃度が作られる働きです。
このような働きのことを「受動輸送」とよんでいます。
「拡散」を考えたとき、イメージしやすいのがミルクティーに入れた角砂糖です。
角砂糖をミルクティーに入れてかき混ぜると、いつしか甘い紅茶になります。
濃度はどこも一定に保たれているので、こちらの作用を拡散といいます。
これと同じことが、細胞の中でもおこなわれています。
拡散がおこなわれると分子が動いて、細胞内の濃さが等しくなります。
濃度の濃い方から、濃度の薄い方へ移動することが「拡散」です。
拡散が自由におこなわれるからこそ、植物や動物は体内の濃度を一定に保っていけます。
「生物浸透」と「拡散」の違い
どちらも生物にまつわる言葉です。
「生物浸透」と「拡散」の違いを、分かりやすく解説します。
・移動が「生物浸透」、広がりが「拡散」
「生物浸透」と「拡散」はどちらも似ているので、間違えやすいです。
「生物浸透」は細胞内の、水分子の移動をあらわします。
細胞膜がフィルター代わりになっているので、ここを境界線として自由に水分子が動き、濃度のコントロールをおこなっています。
このとき、他の分子はうつることができません。
一方で「拡散」とは、ある物質が細胞内にとけこみ広がっていく様子をあらわしています。
ひとつの分子がその空間の中にただよい、じわじわと溶け込んでいくことです。
このとき時間が経つとともに、濃度は均一になっていきます。
まとめ
「生物浸透」と「拡散」の違いを分かりやすくお伝えしました。
生物浸透とは濃度の調整をおこなうために、水分子が移動する働きのこと。
また拡散はひとつの分子がゆっくり細胞にとけこみ、広がっていく様子をあらわしています。
部屋から部屋への移動が「生物浸透」。
ひとつの部屋の中での移り変わりが「拡散」になります。
難しい用語ですが、違いをおさえて勉強を深めていきましょう。