同じ行うことでも、「履行」と「実行」の意味は異なります。
この記事では、「履行」と「実行」の違いを分かりやすく説明していきます。
「履行」とは?
「履行」は、行うことは行うことでも、決めたことや口に出して言ったことを実際に行うことを意味します。
決まっていたことや自分自身で決めたこと、約束していたことなどについて、その通りに行う行為が「履行」です。
「履行」の場合、法律用語としても用いられ、債務者が債務の内容である給付を実現するといった意味もあります。
言い換えれば、「成し遂げる」や「やり遂げる」、「やり抜く」、「やり通す」などと同じです。
「履行」の使い方
「履行」を用いた言葉には法律用語も多く、「債務履行」や「履行責任」などといった言葉があります。
「履行」の場合、「履行する」といった使い方が多く、そのほか、「履行した」や「履行を迫る」、「履行できない」などといった形で用いられます。
「実行」とは?
「実行」は、行うことは行うことでも、実際に行うことを意味します。
口約束といっただけではなく、実際に行動に移し行うことが「実行」です。
計画していたことや約束していたこと、などに対し、やるという強い意志を持って行う行為が「実行」です。
言い換えれば、「とり行う」や「実践」、「実現」、「実施」、「果たす」などと同じです。
「実行」の使い方
「実行」を用いた言葉には、「実行委員会」や「実行予算」、「実行力」などがあります。
また、主に「実行」は「実行する」や「実行に移す」などといった形で用いられます。
「履行」と「実行」の違い
同じ行う行為でも、「履行」は、決めたことや口に出して言ったことを実際に行うことであり、「実行」は、実際に行うことです。
決めたことや口に出して言ったことを行うといった意味までは「実行」にはありません。
その点に違いがあります。
「履行」の場合、決めていたことを実際に行うことを意味しますが、「実行」は、実際に行動することを意味するものとなります。
また、「履行」の場合、法律用語として用いられることも多い言葉といった違いもあります。
それに対し、「実行」は、日常的によく用いられる言葉です。
「履行」の例文
・『彼女は約束を履行する人なので信用できる』
・『今年度中に契約を履行する必要がある』
・『彼が履行の義務を果たさないようならば、こちらにも考えがあります』
・『履行期限までに回答しなければならない』
「実行」の例文
・『やっと、念願だった計画を実行に移す時が来ました』
・『彼は実行力のある人なので、安心して任せることができます』
・『なかなか行動できない私にとって、即実行に移すことができる人に憧れます』
・『有言実行は、素晴らしいことです』
まとめ
同じ行動に移す行為でも、それまでの過程などに微妙な違いがある、「履行」と「実行」。
そのため、行動に移すまでの過程などを踏まえ使い分ける必要があります。
