「慰謝料」と「手切れ金」の違いとは?分かりやすく解釈

「慰謝料」と「手切れ金」の違い言葉・カタカナ語・言語

人間との関係はどうしても金銭的な問題に発生してしまうことがあります。

その場合によく使われる言葉を2つご紹介します。

この記事では「慰謝料」「手切れ金」の違いを分かりやすく説明していきます。

「慰謝料」とは

「慰謝料」とは

これは『生命、身体、自由、名誉、貞操などが不法に侵害された場合の精神的な損害に対いる損害賠償金の一つ』を表す言葉です。

ポイントは『不法に』という部分にあります。

つまり、他人に与えた損害を填補して、損害がないのと同じ状態にすることという目的があり、これは債務不履行や不法行為を主な原因として被害者はこれに対して請求する権利があるという立派な『法的手段』として認められているという意味になります。

例えばワイドショーなどでもよく話題になりますが、夫婦のどちらかが不貞行為を働いたため、片方が金銭の要求をしますが、これは『不法行為』に対しての法的手段になりますので『慰謝料』という言葉を使います。

法的手段ですので、強い強制力があり、不服がある場合は裁判などを起こして争う必要があります。

もう少し厳密にいうと、好むと好まざるに関わらず、支払う側と受け取る側の双方で意思の合意が法的にされているという部分が必要です。

「手切れ金」とは

「手切れ金」とは

これは『それまで続いていた関係や交渉などを終わりにする、特に男女の関係を終わりにするという意味でよく使われる相手に与える金銭』を指す言葉です。

この言葉のポイントは『関係や交渉を終わりにする』という部分にあります。

例えば男女関係以外にも親子の縁や友人関係などを切る為に『手切れ金』を渡して関係を終わらせるということもあります。

この際に法的な論争に突入する必要は必ずしもなく、当人同士が話し合いなどによる任意で行うものであり、そこに法律的な強制力は存在しないというところに注意をしなければならない言葉ですので、法廷論争にまでエスカレートに発生する可能性も秘めています。

「慰謝料」と「手切れ金」の違い

「慰謝料」と「手切れ金」の違い

この二つは『法的な強制力がある損害賠償の一つ』か『当人同士が任意で行う金銭のやり取り』かという違いではっきりと分けることができます。

つまり、『慰謝料』は請求された場合は支払う義務が発生しますが、『手切れ金』はあくまでも任意である以上は請求されても支払う義務はありません。

「慰謝料」の例文

「慰謝料」の例文

・『父の交通事故の慰謝料が正式に支払われた』
・『患者は医療ミスを起こした病院に対して5,000万円の慰謝料を求める裁判を起こした』
・『このケースですと、加害者側から治療費と慰謝料を請求することができるはずです』

「手切れ金」の例文

「手切れ金」の例文

・『これ以上のもめごとを避ける為に相手側に手切れ金を渡すことになった』
・『友人から手切れ金を渡されてこれ以上の連絡をするなと言われた』
・『恋人の借金を全て支払うことを手切れ金として金輪際の関係を断った』

まとめ

まとめ

如何でしたでしょうか。

ワイドショーやドラマ、友人同士などの冗談でもよく使う言葉が『慰謝料』と『手切れ金』ですが、実際には前者は『法的強制力』があり、後者は『任意』であるという違いがあるのは改めて気を付けて覚えたい違いです。

万が一のこともありますので、是非この機会に覚えておきましょう。