似たような意味で使われるふたつの言葉「欠点」と「弱点」はどこに違いがあるのでしょうか。
今回は、「欠点」と「弱点」の違いについて解説します。
「欠点」とは?
「欠点」とは、「不十分で足りていないところ」という意味の言葉です。
人や物が完璧でないとき、完璧ではない原因となっている損なわれている部分を指す言葉が「欠点」です。
意味合いとしては「改めるべき問題点」「改善が必要な部分」というような「完璧をめざす上で課題となる部分」を指す言葉として使われます。
人にも者にも使える表現ですが一般的には物に対して使われることが多く、人に対して使う場合は距離を置いて冷たく言い放つような思いやりに欠ける言い方です。
採点するときに減点対象になるようなポイントが「欠点」であり、もし改善できるならばよりよい状態になるであろう問題点のことを指します。
不十分であっても魅力や効果が致命的に損なわれるようなものではなく「全体としての完成度を損なう程度の部分的な問題点」を意味する言葉です。
「欠点」の使い方
・『しいて挙げるとするならば、後部座席が狭く座りにくいところが欠点だ』
・『とても暖かく外出するときに着たい上着だが、肌触りの悪さが欠点である』
・『この掃除機の欠点は使用時の騒音だ』
・『欠点を改良して使いやすくなった新製品』
「弱点」とは?
「弱点」とは、「他に比べて自信がなく苦手とする部分」を意味する言葉です。
「全体を見たときに他の部分と比べて十分に自信を持てず攻め込まれると負けてしまう可能性が高い部分」が「弱点」です。
普通にしているときは問題ありませんがその部分を狙われたり比べられたりすると明らかに見劣りしてしまうような「できれば隠しておきたい箇所」を指します。
比べたり戦ったりすると気に相対的に弱い部分を指す言葉なので絶対的な基準はなく同じような状態が「弱点」になることもあればならないこともあります。
できれば無い方がいいものではありますが「弱点」があることが直接的に悪いわけではなく、弱みを突かれる恐れがなければ放置しても問題ありません。
「弱点」の使い方
・『強敵に勝つには弱点を狙うしか手段はない』
・『彼は変化球に簡単に手を出してしまうのが弱点だ』
・『スタミナ不足という弱点を克服するために走りこみを増やした』
・『ファーストサーブをミスしやすいという弱点を克服しない限り優勝は難しいだろう』
「欠点」と「弱点」の違い
「欠点」と「弱点」の違いは「改善の必要性」です。
「欠点」は完璧でない理由になる問題点を意味する言葉です。
それがあることで魅力や性能を下げてしまっているためできるかぎり改善が必要な部分を指します。
「弱点」もできれば無いほうが良い部分ではありますが、それがあることが直接的に問題にはならず必ずしも改善が必要ではないこともあります。
魅力や強みと引き換えで抱えている「弱点」も多く改善よりも対処のほうが重要です。
直せるなら直した方がいいはっきりとした問題点が「欠点」、無くすのではなく対処や対策でカバーすべき相対的な問題点が「弱点」という違いで区別されます。
まとめ
「欠点」と「弱点」はじ意味だと思われることも多いですが本来は異なる使い方をする全く違う言葉です。
それぞれが持つ意味をきちんと理解して使い分けてください。