「庄屋」と「肝煎」の違いとは?分かりやすく解釈

「庄屋」と「肝煎」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「庄屋」「肝煎」の違いを分かりやすく説明していきます。

「庄屋」とは?

「庄屋」とは?

庄屋とは、しょうやという読み方をすべき言葉です。

漢字で書かれたこの文字を目にすれば理解可能な事ですが、荘園や奈良時代から戦国時代頃まで存在していた貴族や寺社により行われた私的土地大所有の形態といった意味の庄の漢字に、住まいや家、その様な性質の人をいう等の意味がある屋の漢字を組み合わせる事で成立した言葉となっています。

だからこそ庄屋は、江戸時代に村落の長として年貢納入等の責任を持ち村の自治を行っていた役職を表すのです。

「庄屋」の使い方

庄屋は、江戸時代の村役人である地方三役の最上位を表す言葉として使われています。

主に関西地方から西の西国で使われていた役職の呼び名であり、関東や東北では同じ役職でも違う名称で呼ばれていたのです。

村で年貢納入の責任的立場を負う以外にも、村民の法令遵守や土地の管理といった責任を背負う立場にありました。

もっともあくまで庄屋は江戸時代に存在して役職であるため、基本的に現在では時代劇で見聞きする程度の言葉となっています。

「肝煎」とは?

「肝煎」とは?

肝煎は、きもいりという読み方をする言葉です。

文字で表記されたこの言葉を見れば一目瞭然な事ですが、内蔵の主要部分や精神力、気力といった意味を持つ肝の文字に、煮出すや踏みといった意味を有する煎の文字を加える事で完成した言葉となっています。

そのため肝煎は、江戸時代の村役人や、人の世話をしたり仲を取り持つといった事を示すのです。

「肝煎」の使い方

肝煎は、主に江戸時代の地方三役で1番上とされた役職を表す言葉として用いられていました。

ただしこの役職は地方によって呼び名が違っており、肝煎は東北地方で使われていた呼び名となっているのです。

更に肝煎は江戸幕府の職名としても使用されていたり、人の世話をするといった意味合いにも使用されている言葉となっています。

「庄屋」と「肝煎」の違い

「庄屋」と「肝煎」の違い

庄屋と肝煎は、文字表記を並べて見比べても使われている漢字も読み方も全然違う言葉同士です。

所が江戸時代の同じ役職を示す言葉である点が、ややこしかったりします。

まず庄屋は、主に関西で地方三役の1つである村落の代表者的な立場である役職の呼称として使用されていたのです。

一方の肝煎は東北地方で、同じく村落の代表者となる役職として用いられていた呼称となっています。

ただし肝煎は江戸幕府の職名としても使用されていたり、二者の間を取り持つといった意味合いでも使用されていたりするのです。

まとめ

まとめ

2つの言葉はどちらも、江戸時代の村落の代表者となる同じ役職の呼称として使われていました。

ですが使用されている文字も読み方も全然違う事から分かる様に、使われていた地方が違っているのです。

ちなみに庄屋は関西地方を中心とした西側の地域で使用されていた呼称となっています。

対する肝煎は、東北地方で用いられていた呼び名です。

ただし肝煎は、江戸幕府の職名にも使用されていました。