理科や化学の実験や料理などでは何かを『混ぜる』ということを行います。
これに関する微妙なニュアンスの違いがある言葉を比べてみましょう。
この記事では「調合」と「配合」の違いを分かりやすく説明していきます。
「調合」とは
こちらは『二つ以上のものを組み合わせたり混ぜ合わせること』にはかわりがありませんが、文頭に『何らかの目的をもって』という言葉が付きます。
つまり、『混ぜること』そのものがポイントではなく、『混ぜた後にできた』ものに重点を置いている表現なのです。
例えば薬と薬を混ぜる場合は『調合』や『調剤』という言葉を主に使います。
イメージは異なる性質を持った物と物を混ぜて新しい付加価値を付ける為の行為が『調合』ということができます。
もちろん薬以外にもカレーなどの香辛料をふんだんに使った料理ではこの『調合』がとてもキーになっています。
単品では出せない味も『調合』を行うことで今までにない風味を生むこともあるのがスパイス調合の面白みでもあります。
つまり、成分と成分を混ぜ合わせて新しいものを作り上げるという意味が強い言葉です。
「配合」とは
これは『二つ以上のものを組み合わせたり混ぜ合わせること』を指す言葉です。
どちらかというと『混ぜること』にポイントを置いた表現になっています。
例えば『ブレンド米』という製品があるりますが、これは様々な品種のお米が配合されている製品です。
別名では『複数原料米』と言われています。
この『配合』は単純に混ぜ合わせただけとも捉えることができ、混ぜ合わさった物本来がもつ性質や性能が著しく変化するということはないのもポイントです。
そういった意味では『取り合わせる』という言葉に置き換えることができます。
薬剤でもこの様な表現はよく見られており、よく風邪薬などのCMで『イブプロフェン配合』などがあります。
これは風邪薬にイブプロフェンという抗炎症薬が混ざっているという意味になるのです。
「調合」と「配合」の違い
この二つは『混ぜた後の成果』にポイントを置くか『混ぜること』にポイントを置くかという違いではっきりと分けることができます。
実は国語辞典ではほぼ同義語として紹介されるケースがほとんどなのがこの2つですが、厳密には微妙なニュアンスがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
「調合」の例文
・『新しい患者さんの為に薬の調合を行う』
・『このカレーにはなんと15種類以上のスパイスが調合されている』
・『この新しい調合栄養食品はダイエットに悩む若者の間で大ヒットした』
「配合」の例文
・『このサプリメントにはアミノ酸がなんと30mgも配合されている』
・『この色の配合が悪いのだろうか、あまりいい印象を受けない』
・『この日本庭園の庭石と樹木の配合は素晴らしいものですね』
まとめ
如何でしたでしょうか。
意味がかなり近いですが、実際には絶妙に違いのある言葉が『調合』と『配合』でした。
一度ではなかなか覚えにくいので是非様々な文章を読んだり実際に使ったりして慣れてみてください。