「元」と「前」の違いを詳しく解説していきます。
「元」とは?
「元」とは、以前にそうだったことがあるという解釈で使われる言葉です。
よって、「元総理」と言えば、これまでに総理大臣になったことがある人物のことを指します。
そのような人物には何人も該当する為、森元総理、小泉元総理、菅元総理などと何人もがそれに該当します。
尚、直近までそれだったという場合には基本的に使わない表現です。
その為、2019年現在の総理大臣である安倍総理の一代前の総理大臣は野田総理でしたが、野田元総理とは表現せず、以下の「前」を使って野田前総理と呼びます。
その前になる菅総理は、菅元総理で構いません。
「前」とは?
「前」は、一代前はそうだったと使う表現になります。
よって、上の野田前総理がいい例になり、それ以前は「元」という使い分けになると考えてください。
自動車で「前モデル」と使うと、その車種が現在のモデルになる以前の旧モデルの中でも1つ前のものという意味になり、そのような使われ方をよく見聞きします。
将棋の各タイトルで「前○○」と使う場合も、現在のタイトルホルダーの前にそのタイトルを所持していた人という意味になります。
それと絡んだ少し面白い話があり、かつて羽生善治九段が19期(19年)連続でこのタイトルの保持者だった時期に、その前の王座だった福崎文吾九段がことある度に「前王座の福崎です」などと使って笑いを誘っていました10年以上前であろうと、前王座ということには変わりないからです。
「元」と「前」の違い
このように、1つ前が「前」、それより前は「元」と表現すると覚えておけばいいでしょう。
正確には「前」と表現される対象も「元」の解釈に入りますが、「1つ前」という意味を強調する為に遭えて他の「元」とは分けていると考えるといいでしょう。
まとめ
職業に関しては、1つ前の職でも「元」と使うことが多いです。
「元大工だ」のような使い方がそれで、「前」は主に代変わりがあるものに対して用いられています。