著作物の類似性でよく言われるのが「パクリ」と「二番煎じ」の違いです。
ここまではOKなどと解説されますが具体的にはどこが違うのでしょうか。
今回は、「パクリ」と「二番煎じ」の違いについて解説します。
「パクリ」とは?
「パクリ」とは、「他人のアイデアや成果を無断で利用しわがものにすること」を意味する言葉です。
パクリ」の語源は「動物や魚が大口を開けて餌に食らいつく様子」から来ているとされています。
目の前にあるものにパクリと食い付きまるごと飲み込んでしまい跡形も残さず自分の体内に収めてしまうところから「奪われたり盗られたりすること」を裏社会の隠語で「パクる」と呼ぶようになりました。
「パクリ」は「パクる」本来の意味から転じた「他人が成し遂げたものを断りなく勝手に自分のものとして使う」という意味で使われます。
具体的には「事実を明示せずに引用や参考の範囲を超えて他人の著作物を無断で利用すること」を表し、一般的には「盗用」と同じ意味合いです。
「パクリ」の使い方
・『大人気漫画の登場キャラが別の作品からのパクリであると指摘される』
・『どこかで見たことがあるというレベルを超え他明らかにパクリである』
・『パクリを継ぎ接ぎして作ったような作品なのになぜこんなに人気があるのだろうか』
・『似ているのは認めるが決してパクリではない』
「二番煎じ」とは?
「二番煎じ」とは、「以前の繰り返しで新鮮味がないこと」を意味する言葉です。
「二番煎じ」というのはもともとはお茶や薬などを一度煎じて使用した後に再び煎じて使う様子を表します。
すでに一度使われているので煎じても初めほどの効果は期待できないことから転じて「以前も見たものと同じことをもう一度やっているので目新しさが感じられない」という意味合いを表す言葉です。
小説や映画では内容や展開がすでに発表済みの作品と似ているケースがよくあります。
絵柄やデザインなど直接的なものではなく全体としての類似点が色濃く感じられるときに「二番煎じ」という表現を用います。
ありふれていて新鮮味のないものに対して使われる言葉で必ずしも2番目だけに使われる言葉ではありません。
類語として「三番煎じ」などの言葉もありますがこれは俗語の一種で、同じようなものが何度目であったとしても「二番煎じ」と表現するのが正しい使い方です。
「二番煎じ」の使い方
・『どこかで見たことがある二番煎じの展開にがっかりする』
・『大ヒット作をまねただけの二番煎じではヒットするはずがない』
・『二番煎じも追求し続ければ定番として受け入れられるものだ』
・『世界的なヒット作が誕生すると粗悪な二番煎じ作品が次々に作られるのは宿命のようなものだ』
「パクリ」と「二番煎じ」の違い
「パクリ」と「二番煎じ」の違いは「オリジナリティ」です。
「パクリ」は他人のアイデアや成果をそのまま自分のものにする行為を意味します。
そこにオリジナリティはなく他人の力を我がものとして盗んでいるだけです。
「二番煎じ」はアイデアや成果を参考にしつつ自分なりの解釈を加えたものを指します。
そのままではなく自分なりのアイデアを付加して一定のオリジナリティが生まれています。
アイデアそのものは著作権の保護対象になりません。
著作権を侵害している可能性があるのが「パクリ」、著作権を真がしないのが「二番煎じ」という違いも成立します。
まとめ
「パクリ」と「二番煎じ」は紙一重なところも多く違いがわかりにくいですが意味を正確に知ればはっきり別物だと理解できます。
軽はずみに使うとトラブルにないかねないので言葉選びは慎重にしてください。