「遺恨」と「禍根」の違いとは?分かりやすく解釈

「遺恨」と「禍根」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「遺恨」「禍根」の違いを分かりやすく説明していきます。

「遺恨」とは?

「遺恨」とは?

「遺恨」とは忘れられず尾を引き後に残るほど深い恨みや心残りを指す言葉です。

他者から酷い仕打ちを受け、それに強い怒りや憎しみを覚え、時が経ってもその時の怒り憎しみ憤りが忘れられないというのが「遺恨」になります。

遺るという言葉は残るよりも取り返しがつかない、つきにくい場合に使われる文字であり、「遺恨」も取り返し、その憎しみや憤りを解消するのが難しいという、不平不満の強さを表現している言葉です。

ただし「遺恨」という言葉は必ずしも強い恨みを指すとは限りません。

なにか重要なことを決める時に、「遺恨」を残さないように、という使われ方もしますが、これは強く恨まないようにという意味ではなく、恨みができても蒸し返さないようにという、恨みの強さとは無関係な使い方になります。

「禍根」とは?

「禍根」とは?

「禍根」とは災いを起こし続ける原因、何度もトラブルや問題を出し続ける発生源を指します。

災いと言っても自然災害の発生原因を「禍根」とは言わず、人間関係での問題やいさかいを起こす事になった原因を指す言葉です。

例えば譲れない何かの取り合いに負けた側がそれを恨みに思い嫌がらせをしてくるようになれば、取り合いをした何かが「禍根」と言えます。

また川の使用権が村同士の「禍根」になっていた、というようにグループやコミュニティ単位の問題に対しても「禍根」という言葉は使われることもあり、個人間でのいさかいや問題に限りません。

「禍根」となるのは物質として存在しているものであったり、先祖が起こしたトラブルで遺った「遺恨」のような形のないものの場合もあります。

「遺恨」と「禍根」の違い

「遺恨」と「禍根」の違い

「遺恨」「禍根」の違いを、分かりやすく解説します。

「遺恨」はいつまでも消えない相手への憤りや憎しみで、「禍根」は人間関係の問題を起こしている原因です。

「遺恨」「禍根」となることも、「禍根」から発生した問題が「遺恨」を生むこともありますが、「遺恨」は恨みという感情だけを指す言葉であり、「禍根」は問題の発生源だけを指し、感情が「禍根」となっている場合もありますが、感情以外の有形無形のものが「禍根」になっていることもあります。

また「遺恨」「禍根」を解消する場合、「遺恨」は悪感情なので「遺恨」を晴らすと言いますが、「禍根」は災いの根っこなので晴らすとは言いません。

「禍根」の場合は問題の根っこを断ち切るという形で「禍根」を断つと言われます。

まとめ

まとめ

「遺恨」「禍根」も後々まで問題を起こしかねませんし、恨みが問題を起こし、それによってまた恨みが募る悪循環になりがちなので、「遺恨」「禍根」は混同されがちです。

ですが「遺恨」は恨みの感情そのもので、「禍根」は問題を起こしている原因であれば恨みの感情以外も指すという違いがあるという点はしっかり理解しておきましょう。