この記事では、「瞭然」と「明瞭」の違いを分かりやすく説明していきます。
「瞭然」とは?
はっきりしていて、本当かどうかわからないところがないという意味です。
あきらかにそうであるといったことを意味します。
絵画のことで説明をします。
ここに2枚の絵画があります。
一方は本物、もう一方は偽物です。
どちらも同じものを描いており、偽物の方は本物にそっくりに描こうとして描かれています。
しかし、2つを並べてみるとあきらかに違うことがわかります。
色の使い方、物の陰の作り方、輪郭の描き方など、あきらかに違うのです。
誰が見てもこっちが本物だとわかるほどの違いです。
本物であるか、偽物であるか、疑う余地がありません。
このような疑うことがないほどのはっきりしていることを、この言葉は意味しています。
「瞭然」の使い方
本当かどうか疑わしいところがないという意味で使用をします。
「もしかしたら」という気持ちが出てこない場合をいいます。
「明瞭」とは?
怪しくて疑うようなところがどこもなく、はっきりとしていることという意味です。
事柄がはっきりしていることや、音声がはっきりしていることなどを意味します。
音声のことで説明をします。
ある人は話すときにごにょごにょとしていて、何を言っているのかよくわかりません。
聞き取りにくいため、何度も聞き直してしまいます。
アナウンサーの話し方は、はきはきとしていて何を言っているのかわかりやすいです。
ある言葉と別の言葉を聞き間違えることがありません。
このようなはっきりしていて、疑うところのないような音声を「明瞭」といいます。
今度は水道修理の見積もりのことで説明をします。
見積もりには、何にいくらかかったのかすべてわかりやすく規制されています。
水道修理に必要な部品はこれで、これにはいくらかかっている、作業料はいくらである、などすべてが細かく記載されています。
すべてが細かく記載されていれば、疑う余地がありません。
しっかり記載されているため、後でトラブルになることもないです。
このようなはっきりしている事柄を意味する言葉です。
「明瞭」の使い方
怪しくて疑うところがなく、はっきりしているという意味で使用をします。
疑わしいところが少しでもある場合には使用しません。
「もしかして」と思う場合には使用しないのです。
「瞭然」と「明瞭」の違い
疑うところがないという意味が似ていますが、使い方に違いがあります。
「瞭然」は「一目瞭然」の形で使うことが多いです。
「明瞭」は事柄や音声に使用をします。
「瞭然」の例文
・『誰が見ても瞭然だ』
・『一目瞭然』
・『今や瞭然としている』
・『周囲が見ていて瞭然だった』
「明瞭」の例文
・『明瞭に発声をする』
・『明瞭に記載してください』
・『明瞭な部分とそうでない部分がある』
・『明瞭でない部分が多々見られる』
まとめ
怪しくて疑うところがないという意味が似ていますが、使い方に違いがあります。