この記事では、「冷静」と「クール」の違いを分かりやすく説明していきます。
「冷静」とは?
「冷静」とは感情に左右されず、理論的合理的に物事を判断したり、行動を起こすことができている状態や、そういった判断を常に維持できる人を指す言葉です。
判断や行動が感情によって揺さぶられないことを指すだけなので、その人の性格や趣味嗜好、人間性は関係ありません。
多くの人のためになるよう合理的に人助けをする「冷静」な人もいますし、相手に非があるなら仲のいい相手でも理詰めで責め立てる「冷静」な人もいます。
また「冷静」であることは感情の起伏に乏しいということではなく、感情が昂ぶっていても、判断が昂ぶった感情の影響を受けなければ「冷静」な判断です。
「冷静」であることは、基本的に良いこととして扱われ、「冷静」は状態を表現する言葉としてだけでなく、褒め言葉として使われることもあります。
「クール」とは?
「クール」とは人に対して冷淡で冷ややかなこと、感情に左右されない人を指します。
感情に左右されない判断を下せる人も「クール」と言われますが、判断と感情を分けていると言うよりは、他人に対して熱意や思いやりに乏しいから、合理的な判断を邪魔するほどの感情が動かないという人が「クール」な人です。
また俗語としては格好いいという意味もあり、様々な格好よさの中でもいつでも「冷静」で余裕のある格好よさを持つ人を褒める意味で「クール」ということもあります。
現在では褒め言葉として「クール」という言葉が使われることが多いです。
しかし元々の使われ方通りに人として冷たく人情に書ける人という意味で「クール」という言葉が使われる事もあるので、純粋な褒め言葉ではありません。
「冷静」と「クール」の違い
「冷静」と「クール」の違いを、分かりやすく解説します。
「冷静」は感情と判断を分けることができる人なのに対して、「クール」は「冷静」な人だけでなく、元から他人に対して冷淡で薄情なので、分けるまでもなく判断を揺るがすほどの感情が湧かない人も含む言葉です。
また「冷静」は人を悪く言う意味合いを持っていないのに対し、「クール」は薄情などの悪い意味合いで使われることもある点も違います。
またどのような判断や行動かを表現する場合に「冷静」は副詞として使えるのに対し、「クール」な判断や行動とは言わず、「クール」は判断などの副詞として使えません。
他にも褒め言葉として使う場合、「冷静」は判断や行動が「冷静」と言えるなら感情が動きやすい人にも使われますが、「クール」は感情が常に落ち着いていて格好いい人に使われます。
まとめ
怒っている時ほど「冷静」になる人もいますが、そもそも怒るなどの感情を表に出さない人を「クール」と呼ぶように、「冷静」と「クール」は似ているようで意外と違いがあります。
単純に「冷静」な人は頼りにできる人も多いですが、「クール」な人は近寄りがたい雰囲気の人も多いでしょう。