この記事では、「励行」と「遂行」の違いを分かりやすく説明していきます。
同じような言葉を、正しく区別していきましょう。
「励行」とは?
励行(れいこう)とは、ルールを守るように努力すること。
規則正しい生活をめざして、がんばる様子をあらわしています。
自分だけではなく、周りの人にもそうあって欲しいと願うシーンで使われています。
もともと「励行」には「励む・おこなう」という2つの言葉がまじっています。
「励む」とは、力いっぱい動くこと。
または自分の役目を全うすることです。
そして「行う」には「進める、動いていく」という訳があります。
つまり与えられた決まりを進めること、理想的な行動を起こしていく動作が「励行」にあたります。
最近では「マスク着用の励行」や「うがい手洗いの励行」など、コロナ対策の用語としても定着しています。
お手本となるように模範的な行いをすること、ルールを破らないように努めることが「励行」です。
「遂行」とは?
遂行(すいこう)とは、役目を終えること。
決められた課題を成し遂げることです。
最初から最後まで気を抜かずに、ゴールにたどり着く様子を「遂行する」と呼んでいます。
「遂行」には「遂」と「行」という2つの漢字がはいっています。
「遂」には「やり終える」という充実感をあらわす訳があります。
そして「行」には「うごく」という意味が込められています。
大きな仕事を最後までやり遂げること、有終の美を飾ることが「遂行」です。
ポジティブな意味のある「遂行」は会社の決意表明のシーンで使われることもあります。
具体的には「任務を遂行できるように、精一杯はげみます」などと使います。
与えられたポジションを走り抜くこと、諦めない様子が「遂行」です。
「励行」と「遂行」の違い
どちらも「行く」という漢字が含まれているので紛らわしいです。
「励行」と「遂行」の違いを、分かりやすく解説します。
・ルールを守る「励行」任務をやり切る「遂行」 両方の言葉とも、努力してひとつ上を目指すというニュアンスが含まれています。
ただ「励行」は「安全運転の励行」や「マスク着用の励行」のように、ひとつのルールを大勢で守るという雰囲気の言葉です。
努力や工夫をしながら、あたらしい決まりを守るというスタンスで使われます。
一方で「遂行」は「プロジェクトを遂行する」や「作戦を遂行した」のように、与えられた仕事をやり切るという意味合いで用いられています。
多くの人で守ることが「励行」。
自分の仕事をやり切ることが「遂行」です。
まとめ
「励行」と「遂行」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「励行」とはルールを破らないように、大勢で努力すること。
みんなで新しいルールを守っていくことです。
そして「遂行」には与えられた任務を最後までやり抜くという、前向きな意味合いが含まれています。
「励行」は不特定多数の多くの人に、「遂行」は部署や個人単位に使われます。
暮らしに役立てていきましょう。