この記事では、「彫刻」と「塑像」の違いを分かりやすく説明していきます。
「彫刻」とは?
「彫刻」は、一つの塊から作品を作り出すことで、例えば木材であれば材木という塊をわざわざ削って何か形を残し、石材においては石材をわざわざ削り作品にします。
しかも、「彫刻」は性質上一つの塊をそぎ落とすため、彫りすぎによって失敗した場合、失敗した個所を修復できません。
無論、「彫刻作品」を修繕するお仕事をしている方は、後から付け足して彫刻を補修していくため、「彫刻家」が作り出した彫り物に対して上書きをするが故修正が許されるのです。
「塑像」とは?
「塑像」は、粘度を使用して作品を作り出しますが、やり直しが可能で金型を用いて作品を作り出すことが許されます。
よってブロンズ像の作成などにおいては同じものを作り出す必要性があり、この複製することが可能である、「塑像」という手法で作品を作ります。
しかも金型は、金型が壊れない限り永久的に保存が可能で、再度その作成物が必要になった場合再度製造が可能です。
「彫刻」と「塑像」の違い
「彫刻」と「塑像」の違いは、製造法が異なり、「彫刻」は一つの塊からぶっつけ本番で作品を作り出しますが、「塑像」は複製が可能で金型で作ってもよいです。
しかも「塑像」は粘土であれば何度でもやり直しが可能で自分が納得するまで作品を作り上げることができます。
「彫刻」の例文
・『仏像の彫刻の修復を行う』
この例は、仏像の彫り物の修繕を行うという例になります。
「彫刻」はやり直しがきかない作品で損傷している場合その個所を上書きして修繕するという手法を取ります。
例えば、木材で出来ている仏像の場合、腐っている場所があると仮定すれば底を取り除き上書きという形で別の物に置き換えます。
「塑像」の例文
・『フィギアは塑像である』
この例は、美少女フィギュアやロボットなどのフィギアは金型で作られている「塑像」であるという例です。
フィギアは、実は大量生産が可能な由縁となる部分は金型があるが故で金型に材料を流し込めば大量に同じものが作成可能です。
まとめ
「彫刻」と「塑像」については、大量に同じものが作成できるかできないかというのも大きな違いです。
彫刻は、一から作り出すうえでぶっつけ本番で彫り込むようにして作り上げるので金型という概念がありません。
一方、「塑像」は金型の概念があり、「彫刻」で作られた人形などを金型に加工してしまえば、同じものを大量に作成できるのです。
よって、「ブロンズ像」などは金型があるが故大量に生産が可能でこれは「塑像」ですが、ブロンズ像の金型になる原型は、「彫刻」によってつくられた木像や石像を使用して型取りを刷るため、これは「彫刻」になります。
「彫刻」は、一つ限りの作品で全く同じ二つ目は存在しない、「塑像」は複製が可能な作品の作り方と考えると両者の違いは分かりやすいでしょう。