「部」と「枚」はどちらもものをカウントする単位のことですが、意味が異なるためシチュエーションに応じて使い分ける必要があります。
この記事では、「部」と「枚」の違いを分かりやすく説明していきます。
「部」とは?
「部」は「ぶ」と読む言葉で、「特定のまとまった内容を有する書物や著作物」もしくは「前者を数える際に使用する単位」のことを指すほか、新聞や雑誌などをカウントする際にも用いられます。
上記以外に、「書物のカテゴリーや範囲」、「書物を区分した部分」、「集団や組織、団体の区分け」、「物事の区分け」といった幅広い意味合いを持ち合わせています。
「枚」とは?
「枚」は「まい」と読み、「紙」や「皿」、「板」といった「平たい形状のもの」や「貨幣」を数える際に使用する言葉で、「田畑の一区画ごと」を数える際や、「魚」を数える際にも用いられています。
また、名前を板や番付に書いていた歴史があることから、「俳優」や「力士」などの人数をカウントする場合にも使用されています。
「部」と「枚」の違い
「部」と「枚」は双方とも何かを数える際に使用する単位ですが、詳細な意味合いに違いがあります。
「部」は主に「まとまりのある内容を有する書物もしくは著作物」をカウントする場合に使用するほか、新聞や雑誌を数える際にも用いられます。
ビジネス分野においては「議事録」や「契約書」、「パンフレット」などの文書を数える場合に使用されています。
一方、「枚」は「紙や皿など平たい形状のもの」や「お金」をひとつずつカウントする際に使われる単位で、ビジネス分野では1枚の紙から成る「チラシ」や「領収証」などに使用されています。
なお、「封筒」の場合は何も封入されていなければ「枚」を用いますが、中に何か入っている場合は「封」を使います。
「部」の例文
「部」は「まとまった内容が記された著作物もしくは書物」、ビジネス分野においては「複数枚で構成される文書」を数える場面で使用されます。
「部」の直前にカウントする数を記して使うのが一般的です。
・『コンビニで気になる見出しの新聞を1部購入するのが出社前のルーティーンである』
・『彼女が執筆した小説は150万部を超えるベストセラーとなった』
・『パンフレットを10部送付するよう指示された』
・『ミーティング前に提案書を各席に1部ずつ配った』
「枚」の例文
「枚」は「紙や皿、板といった平たいもの」や「貨幣」をカウントする際に用いられる言葉で、ビジネスにおいては「1枚の紙で成立する書類や文書」、「何も封入されていない封筒」に対して使用されます。
また、「魚」や「田畑の一区画」、「力士」などを数える場合に使用されることもあります。
「部」と同じく、通常はカウントする数を「枚」の直前に表記します。
・『宣伝に使用するチラシを5枚コピーする』
・『彼の財布には千円札1枚と500円玉2枚しか入っていなかった』
・『結婚式の引出物でもらったお皿の1枚が割れてしまった』
・『急遽、長形3号サイズの封筒が20枚必要になった』
まとめ
「部」と「枚」は混同されやすい言葉ですが、カウントするものの種類や形状などに違いがあることが分かります。
双方の使い方を学び、状況に応じて適切に使い分けられるようになりましょう。
ぜひ語彙力アップの参考に役立ててください。