人の能力を指す表現に「顕在能力」と「潜在能力」がありますが、このふたつの言葉はどう違うのでしょうか。
今回は、「顕在能力」と「潜在能力」の違いについて解説します。
「顕在能力」とは?
「顕在能力」とは、「すでに表に現れていて発揮されている能力」を意味する言葉です。
人は学んだり鍛えたりすることで能力を伸ばしたり身につけたりできます。
これまでできなかったことができるようになったりさらに上達したりと常に能力は変化しますが「顕在能力」とは「その人がすでに身につけていて実際に発揮している能力」を意味する言葉です。
人には多くの可能性が眠っていますが可能性を引き出せるかどうかはその人次第です。
才能がありながら努力を怠り眠らせたままにすることもあれば多くの困難を乗り越えて能力を身につける人もいます。
「顕在能力」とは「本人も周囲も自覚していてはっきり形に現れている能力」を表す表現です。
期待や願望ではなくすでに事実として確認できる能力だけに使われる表現なので、能力があることは事実でも本人に自覚が無かったり客観的な観測が難しいような力には使われません。
「火事場の馬鹿力」「奇跡のワンプレー」など再現が困難な能力ではなく意識して安定的に発揮できるような能力が「顕在能力」です。
「顕在能力」の使い方
・『顕在能力を分析し敵の戦力を推測する』
・『中途採用面接では顕在能力を重視している』
・『将来性には期待しているが顕在能力はまだまだ不十分だ』
・『顕在能力を自在に使いこなせるように指導するのもコーチの仕事だ』
「潜在能力」とは?
「潜在能力」とは、「まだ表に現れていない能力」を意味する言葉です。
「潜在能力」とは「本人に自覚がなく自在に発揮できない能力」のことです。
一般的には「まだ引き出されていない能力」という意味で使われており「才能」「ポテンシャル」とほぼ同じ意味の言葉です。
「鍛えたり育てたりすれば身につく可能性がある能力」を意味しますが現時点ではまだ発揮されていません。
「潜在能力」は可能性や将来性など未来において期待できる能力を表しており、現時点での優秀さとは無関係です。
秘めた能力というものは具体的に観測できるものではなくあくまでも期待や推測によるものです。
「現時点での力や技術などから考えて期待できる能力」が「潜在能力」であり、具体的な保証や裏付けなどはなく発揮されないまま終わることもあります。
「潜在能力」の使い方
・『トレーニングによって潜在能力を引き出す』
・『新卒採用では潜在能力を重視している』
・『潜在能力は高いがまだまだ実力不足の感は否めない』
・『潜在能力を引き出すのがコーチの仕事だ』
「顕在能力」と「潜在能力」の違い
「顕在能力」と「潜在能力」の違いは「現時点で表に出ているか」です。
「顕在能力」とは現時点で表に出ていて自在に発揮できる能力です。
身についていて形として表せるので自分も他人も自覚しています。
「潜在能力」とは現時点で引き出されていない秘められた能力です。
将来的に発揮できるようになる可能性は高いものの現時点では身についておらず表に出せない可能性として眠っている能力を指します。
鍛錬や練習の末に「潜在能力」が引き出され身につくことで「顕在能力」に変わります。
まとめ
同じ能力を意味する言葉で「顕在能力」と「潜在能力」では表す内容が全く異なります。
言葉本来の意味を理解して正しく使いましょう。