この記事では、「克明」と「鮮明」の違いを分かりやすく説明していきます。
「克明」とは?
「克明」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「克明」は「こくめい」と読みます。
「克明」は「細かいところまで念を入れて手落ちのないこと。
その様子」という意味があります。
例えば、「克明な記録」という言葉があります。
この場合は、ただ記録するだけでなく、細かいところまで念を入れて詳細に記録することを意味します。
また、誰かとの何かをしたことを思い出すとき、時系列に沿って、抜け落ちた部分がないほど細かい部分まで思い出せる場合は、「克明な記憶の持ち主」と言えるかもしれません。
さらに、殺人事件が起こった時、その事件に関するルポルタージュを読むことがあるかもしれません。
この時、事件の詳細が完璧に記されていると感じた場合は、「事件の様子が克明に記されたルポルタージュ」などと言い表すことができるでしょう。
他にも、事故に遭った時の怖いい思いが、抜け落ちずにすべて残っている場合、「事故の記憶が克明に残っている」などという文章を作ることができます。
「鮮明」とは?
「鮮明」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「鮮明」は「せんめい」と読みます。
「鮮明」は「あざやかで、ハッキリしている様子」という意味があります。
例えば、子供のころの思い出が、抽象的ではなくあざやかによみがえるような場合、「子供のころの出来事を、鮮明に思い出す」などという文章を作ることができます。
また、誰かの話を聞いて、感動することがあるでしょう。
まだその話の記憶があざやかで、ハッキリしているときにメモをするとき、「記憶が鮮明なうちに、メモを取る」などという文章にできます。
さらに、街を歩いていたら、家の中から夫婦喧嘩をしている声が聞こえてきて、その声があざやかで、ハッキリしている場合は、「夫婦喧嘩の声が、鮮明に聞こえてくる」などという文章を作ることができます。
「克明」と「鮮明」の違い
「克明」と「鮮明」の違いを、分かりやすく解説します。
「克明」は「細かいところまで念を入れて手落ちのないこと。
その様子」という意味があります。
一方で、「鮮明」は「あざやかで、ハッキリしている様子」という意味があります。
「克明な記憶」という場合は、誰かの話したことなどを一言一句覚えているなど、抜け落ちた部分がないような記憶を意味するのに対して、「鮮明な記憶」という場合は、目の前で過去の出来事が再生されているようなあざやかな記憶という意味があります。
このように、「克明」は抜け落ちた部分がないことを前面に押し出しているのに対して、「鮮明」は、あざやかさを前面に押し出しているという違いがあります。
まとめ
「克明」と「鮮明」の違いについて見てきました。
2つの言葉には、明確な意味の違いがありました。
2つの言葉の違いを知ることで、きちんと使い分けることができるようになりそうです。