この記事では、「衝撃」と「振動」の違いを分かりやすく説明していきます。
「衝撃」とは?
「衝撃」には2つの意味があります。
ひとつは、きわめて短い時間に大きな力を物体に加わえること、またその力です。
継続的な大きな力のことではなく、瞬間的な力を意味します。
また、この意味では物体に加わる力を指しています。
高速道路をすごいスピードで走っている車がいます。
この車が壁にぶつかってしまいました。
スピードを出した状態で物体にぶつかると、ぶつかった物に大きな力が加わります。
この力を加えることや、このときに加えられた力のことを「衝撃」といいます。
もう一つの意味は、思ってもいなかったような出来事などによって、強く心を揺り動かされることです。
あらかじめ何が起こるかわかっていれば、心の準備ができるので、それほど心が揺れることはないでしょう。
思ってもいないことが起こると、心の準備ができていないため、強く心が揺れ動くことがあります。
たとえば、今すごく活躍していて、今後が期待されるスポーツ選手がいたとします。
その選手が何の前触れもなく引退宣言をしたら、多くの人は心が強く動くことでしょう。
ケガをした、年齢だからなどの理由があれば、引退するのも納得できますが、活躍しているのに引退をするのは意外な出来事です。
これを「引退に衝撃を受ける」などといいます。
「衝撃」の使い方
物質については、短い時間に強い力が加わることを指して使用をします。
人の心については、思いもかけない出来事などで、強く心が揺り動かされることを指して使用します。
「振動」とは?
「振動」には3つの意味があります。
1つめは、一つの場所にじっとしていることがなく、左右前後に動くことです。
大きな音がすると、窓ガラスがぶるぶると振るえることがあります。
このときのガラスの状態を意味する言葉です。
ガラス以外の物体についても意味します。
2つめは、一つの状態を中心にある量が周期的に変動することです。
振り子の動きのようなものを意味します。
3つめは、数学で関数や数列の極限が定まらないことです。
「振動」の使い方
3つの意味がありますが日常的には、ひとつのところにじっとしておらず、前後左右に動くことという意味で使うことが多いです。
物質についていいます。
「衝撃」と「振動」の違い
揺れ動くという意味が似ていますが、この意味では「衝撃」の場合は心の揺れ、「振動」の場合は物質の揺れを指しています。
また、「衝撃」には物理的な力の意味もあります。
「衝撃」の例文
・『その知らせに衝撃を受ける』
・『衝撃が大きい』
・『衝撃が走る』
・『衝撃によって骨折をする』
「振動」の例文
・『振動に耐えることができる』
・『ボタンを押すと振動する機械』
・『振動が皮膚に伝わる』
・『振動を少なくしている』
まとめ
揺れ動くという意味が似ていますが、一方は心の揺れ、もう一方は物質の揺れを指している点が異なります。