「粗雑」と「粗末」の違いとは?分かりやすく解釈

「粗雑」と「粗末」の違い言葉・カタカナ語・言語

物事や対応などが『粗い』という表現はよくありますが、今回は混同しがちな2つについてご紹介したいと思います。

この記事では「粗雑」「粗末」の違いを分かりやすく説明していきます。

「粗雑」とは

「粗雑」とは

これは『粗くいい加減でおおざっぱなことや様子』を表す言葉です。

ポイントは『おおざっぱ』であり対象が『ことや様子』という部分にあります。

つまり物の出来そのものが大味で雑なこと以外にも行動や表現などが粗っぽくていい加減なときなど比較的広範囲に対して使える言葉であることがお分かりいただけると思います。

例えばいい加減な計画などを『粗雑な計画』と表現することもあります。

また、『仕事道具を粗雑に使う』というと道具に対してのリスペクトがない非常に荒い扱いをしているということがイメージできるのではないでしょうか。

「粗末」とは

「粗末」とは

これは『作り方などがおおざっぱで物の出来などが上等ではない様子』を指す言葉です。

ポイントとしては『ものの出来など』という仕上がり具合に対してフォーカスされている言葉であることが挙げられます。

例えば上等ではない食事を『なんて粗末な食事だ』と嘆くことがあります。

製品などの品質がとても褒められるものではない場合なども『粗末な製品だ』と表現することを聞いたことがあるのではないでしょうか。

実はもう一つ『いい加減に扱ったり、ないがしろにするさま』という意味もあります。

例えば小さいころ大人に『食べ物を粗末にするな』という注意を受けたことがあると思いますが、この場合は『食べものを品よく扱いなさい』という意味が込められた表現なのです。

「粗雑」と「粗末」の違い

「粗雑」と「粗末」の違い

この二つは対象が『おおざっぱ』か『ないがしろ』なのかという違いではっきりと分けることができます。

前者は比較的様々な場面で使うことができるのに対して後者は品質や対応の丁寧さという部分に特化している言葉ということもできるのではないでしょうか。

したがって、『粗雑』で『粗末』が同居するものというのは存在することがありえてしまいます。

例えば処理がおおざっぱで『粗雑』であり、品質が著しく低い『粗末』な家電製品や工業製品というのは決して手に取ろうとは思わない絵の物が頭の中に浮かびませんでしょうか。

「粗雑」の例文

「粗雑」の例文

・『そのような粗雑な考え方では何事もうまくいかない』
・『このところの佐藤さんの仕事は粗雑になってきてはいないだろうか』
・『粗雑なアイデアではあるが、着目点はとてもいいと思う』

「粗末」の例文

「粗末」の例文

・『粗末な食事ばかり食べていると健康によくない』
・『粗末な身なりをしているが、かれはとんでもない天才である』
・『この壁のつくりはとても粗末なので手直しが必要になる』

まとめ

まとめ

如何でしたでしょうか。

同じような漢字と意味ですが、そこには『おおざっぱさ』と『低品質』という違う観点が存在しているのが今回の『粗雑』と『粗末』でした。

この様に同じ漢字が使われている場合はもう一つの漢字が何を表しているのかを深堀すると理解をしやすいので是非試してみて下さい。