「親書」と「信書」は読み方は同じものの、内容は異なります。
「親書」は、普段あまり使わないかもしれませんが、知っておくと新聞やニュースがより面白くなるはずです。
「信書」は社会人になると一般常識なので、チェックしておきましょう。
この記事では、「親書」と「信書」の違いを分かりやすく説明していきます。
「親書」とは?
国の元首や政権のトップの人物が、他の国の同じ元首・トップに贈る書面が「親書」の一般的な意味です。
要するに、首脳間でやりとりする手紙を意味します。
内容は幅広く、挨拶や災害へのお見舞いの他、外交や政策に関係する書簡の場合も珍しくありません。
また、自分で書いた手紙を、「親書」と呼ぶこともあります。
ただ、自筆の手紙を「親書」と言うのは大げさなので、ある程度、改まった場面で出す手紙を指すと考えて良いでしょう。
「親書」の使い方
現実的には、首脳から首脳への手紙を「親書」と捉えるのが一般的です。
しかし、実際には、これにとどまりません。
市長同士のやりとりや、一議員から他国の大統領にあてた手紙も「親書」と呼ぶことがあります。
自筆の手紙を「親書」とするケースもあるものの、個人間のやりとりを「親書を送りあう」と表現するのは一般的ではないでしょう。
「信書」とは?
特定の者に、一定の目的をもって送付する書面が「信書」です。
名宛人を決めて、差出人が意思表示をしたり事実の通知をしたりする書面を指します。
具体的にはハガキの他、請求書や許可書などがあり、幅広い書面が「信書」として扱われてきました。
逆に、新聞やパンフレットなど、不特定の人物に送るものは「信書」ではありません。
「信書」の使い方
郵便サービスを利用する際に、送付する荷物の区分として「信書」と言う言葉を用いるケースが多いです。
法律によって「信書」の送付方法が決まっているのが理由となります。
専用のサービスを使う必要があるため、はがきや契約書などを宅配便で送ると、法律に反してしまうのです。
実際には、「請求書は信書として送ってください」など、ビジネスシーンで使うことが多いでしょう。
もちろん、特定の人物に何かを伝える目的があれば、個人間のはがきも「信書」と呼べます。
しかし、プライベートな書簡を「信書」と言うのは堅苦しいので、世間話で耳にする機会は少ないでしょう。
「親書」と「信書」の違い
「親書」は国家元首などが送りあう、自筆の手紙を意味します。
近年はプリントアウトするケースも増えましたが、一般的には署名は自筆です。
対して、「信書」は郵便法で定められた、特定の書類を指します。
特定の相手に、意思表示か事実の通知をする書面が「信書」で、法律的には専用の送達サービスを使うことが欠かせません。
まとめ
「親書」と「信書」は読み方は同じですが全くの別物です。
特に前者はニュースで耳にする程度ですが、後者はビジネスシーンや大人同士の会話で使うことが多々あるため、正確に意味を抑えておくのがおすすめできます。