算数と数学をつなぐための日本独自の考え方として特殊算というものがあります。
その中には昔から馴染みのある「鶴亀算」や「旅人算」の他にも「差集め算」など20以上のやり方があります。
それではこの「差集め算」とはどういう意味でしょうか。
また、「過不足算」との違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「過不足算」と「差集め算」の違いを分かりやすく説明していきます。
「過不足算」とは?
「過不足算」とは小学校の算数における特殊算の一つで、主に物の数の過不足を主題にしたものです。
具体的な問題として特徴的なのは以下のようなものです。
全体の人数はわからない友達に対して、持って来飴を3個ずつ配ったら6個余り、5個ずつ配ると10個足りなくなりました。
持って来た飴はいくつだったでしょうかとなります。
答えを出す方法としてオーソドックスなのは、このようなやり方です。
まず、3個配る場合に必要な個数と5個配る場合に必要な個数の差は10+6=16個になります。
一方、一人分の個数の差は2個なので、16個は8人分となります。
したがって、友達の人数は8人で、持って来た飴は24個に余った6個を足した30個となります。
「差集め算」とは?
「差集め算」とは、前述の特殊算の一つで、「個々の差の合計が全体の差になる」という原則を元に数に関する文章題を解くものです。
オーソドックスな問題として以下のようなものがあります。
1個200円のチョコレートと1個180円のアイスクリームを同じ数だけスーパーで購入した時、それぞれの合計金額の差は400円でした。
何個買ったでしょうかというものです。
この問題の一般的な解き方は以下です。
まずは、単価の差を見ると200-180=20円になり、合計の差である400円は単価の差である20円を購入した個数だけ集めたものなので、400を20で割った20個が購入した個数の答えになります。
「過不足算」と「差集め算」の違い
「過不足算」と「差集め算」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、中学で教える連立方程式などを使わずに複雑な問題を解くという意味では同じです。
大きな違いはどこに注目するかという事です。
すなわち、「過不足算」が個々の数がどのくらい多いか少ないかという部分に注目しているのに対して、「差集め算」が個々の数の差と全体の差に注目しているということにあります。
したがって、「差」に注目する限りにおいて両者は同じということもできるため、「差集め算」を「過不足算」の一つと考えることもできます。
「過不足算」の例文
「過不足算」の例文は以下のようになります。
・『過不足算を解くための方法は線で考える方法と面で考える方法があります』
・『過不足算は文章題による設問です』
「差集め算」の例文
「差集め算」の例文は以下のようになります。
・『差集め算の本質は個々の差を集めたものが全体の差になるということです』
・『差集め算を連立方程式で解くためには高度な知識が必要です』
まとめ
この記事では、「過不足算」と「差集め算」の違いを、解説してきました。
このような特殊算は、現在では中学受験の重要な科目になっているので、学習塾などでも積極的に教えるようになっています。
これらは本来ならば数学として学習するような連立方程式を使わないで同じ問題を解く事ができるという意味では極めて有用です。