この記事では、「会社清算」と「会社解散」の違いを分かりやすく説明していきます。
債務整理にまつわる用語を、正しく覚えていきましょう。
「会社清算」とは?
「会社清算」とは、会社が解散したあとに済ませる手続きのこと。
廃業に向かって、細かい手続きをおこなっていくことです。
持っている資産と抱えてしまった負債を、ゼロにしていきます。
会社ができる前の、まっさらな状態にしていくのが「会社清算」になります。
会社清算の内容には株主総会の決議、清算人の決定、確定申告や財産の処分などがあります。
ちなみに清算人とは、清算の作業をおこなう人。
株主総会で決定される場合が多く、取締役もしくはそれに準ずる人がなります。
また財産の処分とは、会社の保有財産を株主に分配する作業をあらわします。
このとき株を多く持っている人ほど、多くの財産が譲り渡されます。
会社清算の期限は決まっていませんが、長期にわたるとその都度、確定申告をおこなう必要があります。
この場合の確定申告は「清算確定申告」といいます。
「会社解散」とは?
会社解散とは、会社を消滅させる手続きのこと。
会社としての姿を無くすように、法律のステップを踏んでいきます。
「もうこの会社は終わりにしよう」と思ったとき、初めに手を付けるものが「会社解散」になります。
会社解散でおこなうことは、解散日を決めること。
営業やサービスを止めて、廃業への準備を進めていきます。
また従業員に廃業する意向を伝えて、今後の雇用について話し合いをおこないます。
労働法では「解雇の30日前に、予告をおこなうこと」という決まりがあるので、どんなに廃業を急いでいても、突然スタッフの解雇はできないので注意しておきましょう。
会社清算に進むまでの道のりが「会社解散」です。
「会社清算」と「会社解散」の違い
どちらも廃業にまつわる言葉です。
「会社清算」と「会社解散」の違いを、分かりやすく解説します。
・会社解散をして、会社清算へ
会社清算と会社解散は、とてもよく似ています。
けれども手始めにおこなうのが「会社解散」です。
経営者が廃業する意向をかためてスタッフに伝え、それに基づいて会社が動いていきます。
営業やサービスの提供はこの期間にストップします。
そして解散日を過ぎて、会社が実務的な手続きをおこなっていくのが「会社清算」です。
会社清算では株主総会で話し合いをおこない、財産の譲渡をすすめていきます。
清算人が選抜され、清算人のもと、こまやかに作業が進められていきます。
会社の廃業に向かうプロセスで、その準備期間にあたるのが会社解散、法的な手続きを実際におこなっていくのが会社清算となります。
まとめ
「会社清算」と「会社解散」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも廃業にまつわるステップです。
会社清算の準備期にあたるのが「会社解散」。
解散日のあと、法的な手続きに入るのが会社清算です。
円満廃業を目指して、知識をたくわえていきましょう。