「在中」と「御中」はどちらも郵送物に表記する言葉ですが、意味が全く異なるため使い分けることが重要です。
この記事では、「在中」と「御中」の違いを分かりやすく説明していきます。
「在中」とは?
「在中」は「ざいちゅう」と読む言葉で、「中に書類もしくは金品などが入っていること」、「中に特定の物品が入っていることを相手に知らせるために郵便物などに表記する言葉」を意味します。
「~在中」と書くことで封入された内容物が一目で把握できるというメリットがあります。
「在中」の使い方
「在中」は送付先に内容物の有無を知らせる役割を持つ言葉なので、封筒などに直接記します。
縦書き封筒の場合は「宛名面の左下」、横書き封筒の場合は「宛名面の右下」に書くのが一般的で、「履歴書在中」や「応募書類在中」、「請求書在中」、「領収書在中」などのように「在中」の前に内容物の名称を書き、さらに文字の周りを四角で囲います。
手書きで記すほか、市販のスタンプを使うことも可能です。
なお、「在中」の文字の色は黒色でも差し支えないとされていますが、送付先の目に留まりやすいように「朱色」や「青色」といった色つきの文字で記すケースも多くあります。
また、郵便物ではなく直接相手に金品などを渡す場合などに「会費在中」や「~円在中」などと表記して使用することも可能です。
「御中」とは?
「御中」は「おんちゅう」と読む言葉で、「郵便物やメールなどを官公庁や企業、学校などに送付する際に使用する敬称」を指します。
「送付先の企業もしくは団体の皆様へ」という意味合いがあり、主に「特定の個人ではなく組織や部署に宛てて郵送する」あるいは「担当者名が不明」といった状況で使用します。
「御中」の使い方
「御中」は送り先の宛名が組織や団体もしくはそれらの部署である際に使用する言葉で、「~株式会社御中」や「~株式会社人事部御中」、「~学校御中」、「~学校学生課御中」などと記し、通常は送付先を書いたあとにスペースを空けて「御中」と書きます。
なお、宛名が個人名だったり担当者名が分かっていたりする際は「御中」ではなく「様」を用います。
また、返信用封筒や返信用はがきを使う場合、あらかじめ返送先の住所や宛名が印字されている際は記載されている「行」などの文字を二重線で消し、縦書きの場合は「左側」に、横書きの場合は「下側」に「御中」と記すのがマナーとされています。
「在中」と「御中」の違い
「在中」と「御中」は双方とも郵送物などに記す言葉ですが、それぞれが持つ意味や用法に違いがあります。
「在中」は「郵便物などに特定の物品が入っていること」を示す言葉で、縦書き封筒だと「宛名面の左下」、横書き封筒だと「宛名面の右下」に四角で囲われて記され、必要に応じて色つきの文字で表記されます。
一方、「御中」は「送り先の宛名が組織や団体などの際に使用する敬称」を示し、送付先の組織名もしくは部署名の後に記載します。
まとめ
「在中」と「御中」は読み方も表記も似ていますが、各々の言葉の意味を学ぶと大きな違いがあることが分かります。
両者の相違点や用法を知って、適切に使い分けましょう。
ぜひ参考にして、郵送物を送る際などに役立ててください。