この記事では、「歌詞」【かし】と「詩」【し・うた】の意味を分かりやすく説明していきます。
「歌詞」とは?
歌手が曲に合わせて歌うときの言葉を「歌詞」と言い、ゆっくりした曲であればしっとり歌い、早いテンポなら早く歌うなど合わせる歌詞を魅力的に仕上げるのが歌手の腕の見せ所です。
ときに詞を大きな声で歌ってみたり、ため息混じりに歌うなどして、自分の感情を吐き出すようにして歌い上げることもあります。
主に「歌詞」は歌謡曲や歌劇に使われており、自分が社会に対して訴えたいことやつらさ、悲しさを「歌詞」にして歌ったものがありますが、大半が異性に対しての恋愛感情を表した詞が多い傾向が見られます。
先に「歌詞」を作ってからその内容に合った旋律をつけて、魅力的にする場合もありますし、曲を作り上げてから詞を考えて合わせる場合もあるなど、そこは歌手と曲を作った作曲家がうまくやり取りして一つの楽曲にしていきます。
「詩」とは?
人が持つ美学を意識したもので、文学を取り入れた性質が見られるものが「詩」となります。
素晴らしい景色を見たときに人が感じる感情を言い表したり、素敵だと思ったときに湧き出る感動を自分なりに「詩」にして表せます。
言葉で表現する詩劇や古典的な楽曲に合わせて歌う聖歌、散文詩など芸術の観点を重要視して書かれるのがこの「詩」の使われ方になります。
人が感じた思いや過去の記憶をうまく言葉にして、より感情を魅力的に言い表し、詠んだ人の気持ちをとらえるわけです。
様々な分野に分かれているのもこの「詩」の特徴であり、物語を取り入れたもの、風刺、エレジー、劇詩、萬話詩などがあり、独特な世界観を表現できるのが魅力的です。
「歌詞」と「詩」の違い
「歌詞」と「詩」の違いを、分かりやすく解説します。
近代では、今の世情や流行を取り入れた言葉を「歌詞」にして新しく作った曲に合わせますが、「詩」はあえて音楽をつけずに詠んだり、古くに作曲された曲にのせたり、劇で披露する、神聖なる聖歌にするなど幅広い分野で使われており、美学意識も取り入れながら一つの作品にすることが多いという違いがあります。
「詩」の歴史は古く、日本では平安時代に貴族の間で四季や恋などを美しく「詩」にして楽しみましたが、現代でも古来の文学を趣味にしている人もいます。
「歌詞」の例文
・『歌詞の節は旋律よりも短く、繰り返して演奏することでより聴く人の心に残る』
・『海外の歌手のCDアルバムにはたいてい翻訳した歌詞が付いている』
たいてい曲の盛り上がり部分の歌詞は2回目、3回目も同じであり、より記憶に残る詞に仕上げているのが特徴的です。
海外の歌手は英語やフランス語と様々な言語で歌い上げますが、日本で販売するときは発音のアクセントや音節を揃えられる翻訳家を起用する傾向が見られます。
「詩」の例文
・『紀元前1700年の古代インドではヴェーダが誕生しており、人々を魅了した』 ・『詩は意味するものではなく、そこに存在するところに魅力があると定義したのがアーチボルド・マクリーシュだ』 世界では紀元前にザラスシュトラが書いたガーサーや、オデュッセイアが誕生しており、シュメールの「ギルガメシュ叙事詩」は紀元前3000年も前に書かれているなど、「詩」の歴史はとても古いのです。
後世に残るものは何百年と人々を魅了してやまないものとなり、人に勇気と希望を与えることもあります。
20世紀においては「詩」と散文との重点に焦点を当てるのではなく、創造を中心にしています。
まとめ
歌手は自分で曲も作りあげ、詞も書いてしまう才能あるアーティストが増えており、より自分の言葉で「歌詞」を伝えられるようになりました。
一方の「詩」は人々の心に訴えかけ、魅了する偉大な言葉は群集の心を惹きつけて大きな行動を起こさせ、革命を後押しする力があるほど心に訴えかけるものであると覚えておくといいでしょう。