「火急」と「至急」は」どちらも「とても急いでいるとき」に使用される言葉ですが、細かな意味合いが異なるため状況に応じて使い分けることが必要です。
この記事では、「火急」と「至急」の違いを分かりやすく説明していきます。
「火急」とは?
「火急」は「かきゅう」と読み、「火が燃えて広がるときのように差し迫った状態」や「緊急時」といった意味を持つ言葉です。
また、「火が瞬く間に燃えて広がるときのように速やかに対応すること」といった意味で使用されることもあります。
「至急」とは?
「至急」は「しきゅう」と読み、「大変急ぐこと」もしくは「状況が大いに差し迫っている状態」を意味する言葉です。
上記のほか、かつて使用されていた特殊取扱電報のひとつ「至急電報」を指す場合もあるようです。
「火急」と「至急」の違い
「火急」と「至急」は双方とも「この上なく急ぐとき」や「事態が切迫している状況」を意味する表現ですが、細かな意味合いや緊急度合いに違いがあります。
「火急」が「火が瞬く間に燃えて広がる際のような切迫した状態」という意味があるのに対し、「至急」は「非常に急いでいる状態」といった意味を持ちます。
双方の緊急度合いについては、「火急」の方が「至急」より緊急度が高く、優先的に対応すべきとされています。
「火急」の例文
「火急」は「発火して火が燃え広がるような緊急時」を表す言葉で、「至急」よりも余裕のない、追い詰められたような場面で使用することが一般的です。
用法としては「火急の用件」や「火急の場合」といった使われ方をしています。
なお、「火急」は強い意味合いを持つ表現となるため、頻繁に用いたり、目上の人に使用したりするのはマナー違反とされています。
・『彼女は火急の用件でうちに来たらしい』
・『火急の場合でなければ、しばらく待っていてください』
・『彼らに火急の危険が迫っているとは夢にも思わなかった』
・『朝一で君を訪ねたのは火急の相談事があるからだ』
「至急」の例文
「至急」も「大急ぎのとき」や「状況が切迫しているとき」を示す言葉ですが、「火急」の際よりも緊急度が低い場合に使用するのが一般的で、「至急の用件」や「至急~してほしい」といった使われ方をしています。
直接的かつ相手を促す表現になるため、目上の人に使うのは失礼にあたるといわれています。
どうしても「至急」を使用しなければならない際は、「恐れ入りますが」や「申し訳ございませんが」といったクッション言葉を用いて印象を和らげましょう。
・『至急、先方にこのデータを送信してください』
・『彼がこんな時間に来たのは至急の用件があったからだ』
・『思いもよらない事態が発生したので、至急戻って対応してほしい』
・『大変恐れ入りますが、至急ご返答をお願いいたします』
まとめ
「火急」と「至急」の使い分けに迷った際は、「どちらの緊急度が高いか」に注目して判断することがポイントです。
双方の意味や用法を学んで、適切な場面で使いこなしましょう。
ぜひ言葉の豆知識として参考にしてください。
